1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト代謝酵素cDNAの安定かつ高発現系の開発と代謝動態予測システムへの利用
Project/Area Number |
07557149
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山添 康 東北大学, 薬学部, 教授 (00112699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 博道 旭硝子株式会社, 中央研究所, 主任研究員
田井中 均 アマシャム株式会社, 総合研究所, 研究員
鈴木 真也 東北大学, 薬学部, 教務職員 (40196829)
永田 清 東北大学, 薬学部, 助手 (80189133)
出川 雅邦 東北大学, 薬学部, 助手 (50134002)
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Keywords | ヒト薬物代謝 / チトクロームP450 / 遺伝子発現系 |
Research Abstract |
ヒトにおける薬物動態を解析することは、投与された薬物の薬効及び安全性を予測する上で重要なヒト薬物代謝活性のin vitro評価系の開発を行う目的で下記の実験を行った。実際には分裂酵母を宿主にしたP450単独あるいはP450/P450reductase共発現株を樹立し、次いで、この分裂酵母由来のmicrosomeを用いた薬物代謝活性を測定し、酵素学的パラメーターの解析を行った。既に調製済みのCYP2C9及びCYP2C19単独発現株に加え、CYP2C18単独発現株を樹立した。ヒト肝cDNA libraryからPCR法によりCYP2C18 cDNAを単離し、pTL2M1(Neo遺伝子を含む動物細胞用ベクター)へ組み込みCYP2C18発現ベクターを得た。次いでPstI処理したpAL7(Leu2遺伝子を含む酵母への導入ベクター)と共に分裂酵母(ロイシン要求性株)へcotransfectionし、neomycin耐性及びロイシン要求性の相補を利用して形質転換体を選別した。一方CYP/RED共発現株樹立は、RED cDNA発現カセットを含むpAL7を、分裂酵母(ロイシン・ウラシル要求性株)の染色体へ導入し、恒常的にP450reductaseを高発現する株を樹立した。次いでこの株へCYP発現vectorと、pAU5(Ura2遺伝子を有する酵母への導入vector)をcotransfectionして上述のように形質転換体を得た。次に、CYP2C19単独発現株及びCYP2C19/RED共発現株由来MsによるOmeprazoleの5位水酸化活性と、DiazepamのN脱メチル化及び、3位水酸化活性をHPLCにて解析した。本解析で得られたCYP2C19のKm値は、文献のKm値(8.6、175)のうち、高親和性を示す前者のKm値に同等であり、Vmは文献値の6-10倍であることが判明した。以上より、CYP2C19の両基質への酵素学的親和性及び触媒効率は、単独発現系より共発現系の方が高いこと、共発現系からは、ヒト肝臓由来Msによる両基質に対する酵素学的パラメーターと同等な値が得られ、ヒトにおける両基質の動態を反映することが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 山添 康: "ヒトにおける代謝予測と立体選択的代謝" 質量分析. 45. 237-245 (1997)
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[Publications] 永田 清: "ヒトP450分子種のin vitro同定法と問題点" 医学のあゆみ. 182. 807-811 (1997)
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[Publications] 島田 美樹: "A specific loss of growth hormone abolished sex-dependent expression of hepatic cytochrome P450 in dwarf rats:Reversal of the profiles by growth hormone-treatment" Arch.Biochem.Biophys.337. 34-42 (1997)
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[Publications] 福田 勝行: "Grapefruit component interacting with rat and human P450 CYP3A:Possible involvement of non-flavonoid components in drug interaction" Biol.Pharm.Bull.20. 560-564 (1997)
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[Publications] 福田 勝行: "Specific CYP3A4 inhibitors in grapefruit juice:furocoumarin dimers as components of drug interaction" Pharmacogenetics. 7. 391-396 (1997)