1995 Fiscal Year Annual Research Report
癌転移初期過程に着目した転移抑制剤の開発:新規画像化スクリーニング系を用いて
Project/Area Number |
07557158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
岡田 昌二 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40046256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 秀夫 浜松ホトニクス, 中央研究所, 専任部員
入村 達郎 東京大学, 薬学部, 教授
奥 直人 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (10167322)
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Keywords | 癌転移 / ポジトロンCT(PET) / 画像診断 / 転移抑制 / RGD / シアリルルイスX / インテグリン / セレクチン |
Research Abstract |
医療技術の発達にもかかわらず、癌は死因の第一位を占める重篤な疾患である。これは癌細胞が転移を起こすためである。癌転移機構に関しては、細胞表面の接着分子の関与などについてインビトロ系を中心に多くの知見が得られてきたが、インビボにおいてはこの過程を非侵襲的に観察する系は確立されていなかったために研究が遅れていた。本研究は申請者らの開発した、転移性癌細胞の生体内動態を生きたままの動物で解析できる系を用い、癌転移初期過程の機構を明らかにするとともに、癌転移初期過程を阻害する癌転移抑制剤の開発に応用しようと言うものである。これまでにこの解析系を用い転移性癌細胞の組織集積性と転移能がある程度相関することを見いだした。さらに種々の細胞接着、特に細胞外マトリクスへの接着において、RGDなどの短い配列のペプチドが重要な役割を果たしていることが明かとなっているため、これら細胞接着阻害ペプチドが実際の細胞動態にいかに影響するかについて検討を加え、有益な知見を得た。次にこの結果を踏まえ、転移阻害剤の開発を行なった。具体的にはRGDペプチドのリポソーム化を行ない、高い転移抑制活性があることを見出した。また転移性癌細胞の血管内皮細胞への初期の接着に関与すると考えられているセレクチンの影響を検討するために、転移性癌細胞側のリガンドと考えられているシアリルルイスXなどの影響についても検討を加え、転移性癌細胞の標的臓器への接着性が抑制されること、さらに癌転移を抑制することを見出した。現在、これらについて詳細な検討を行い、癌転移抑制剤としての可能性を追求しつつある。
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Research Products
(1 results)