1995 Fiscal Year Annual Research Report
P450代謝系による薬物相互作用のIn Vitroスクリーニング系の開発
Project/Area Number |
07557176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
林 正弘 東京理科大学, 薬学部, 教授 (20012669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 寛 国立国際医療センター, 研究所・臨床薬理部, 室長 (40159033)
石崎 高志 国立国際医療センター, 研究所・臨床薬理部, 部長 (50158747)
奥平 和穂 東京理科大学, 薬学部, 助手 (30204134)
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Keywords | P450 / 薬物相互作用 / 酵素阻害 / 酵素誘導 / in vitro |
Research Abstract |
定性的薬物相互作用の予測 組み替えヒトP450発現系、及びヒトミクロソーム系を用いて以下の薬物相互作用の機構を明らかにした。(1)プロプラノロールの脱イソプロピル化には、CYP1A2が主要な代謝酵素として関与していることを明らかにし、喫煙によるプロプラノロールのクリアランスの増大、血漿中濃度の低下はCYP1A2を介した薬物相互作用であることを明らかにした。(2)ジソピラミドのN-脱イソプロピル化にはCYP3Aが関与していることを明らかにし、ジソピラミドとエリスロマイシンの併用によるジソピラミドの副作用の発現はCYP3Aを介した薬物相互作用であることを明らかにした。(3)オメプラゾールとジアゼパムの併用により起こるジアゼパム血漿中濃度の上昇はメフェニトインのextensive metabolizerにのみ認められることから、CYP2C19を介した薬物間相互作用であることを示した。(4)オメプラゾールと似た化学構造式を持ち、同じCYP2C19で代謝される薬物であるE3810は、ジアゼパムと併用してもその血漿中濃度を上昇させないことを明らかにした。(5)ヒトにおいて報告されているオメプラゾールの酵素誘導作用をラットにおいて再現した。 定量的相互作用の予測 (1)フェノバルビタールによる酵素誘導について、ラットに経口または腹腔内投与した実験及びその初代培養肝細胞系における検討を行い、誘導の程度を比較し、最大値の50%の誘導を与える濃度がほぼ一致することを示した。(2)ヒト及びラットにおいてオメプラゾールの薬物代謝固有クリアランスをラット遊離肝細胞、ヒト及びラットミクロソーム系を用いたin vitro系から予測することにほぼ成功した。(3)ラット、マウスにおけるオメプラゾール代謝の非線形性をin vivo, in vitro両系で検討した。(4)初回通過効果の寄与、特に消化管内での代謝について小腸ミクロソーム等を用いて検討し、肝臓での代謝実験の結果と併せ、in vitro系からin vivo系への相互作用の定量的予測を行う上での問題点を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshimoto K.: "Identification of the human CYP isoforms involved in the metabolism of propranolol enantiomers-N-desisopropyration is mediated mainly by CYP1A2." Br. J. Clin. Pharmacol.39. 421-431 (1995)
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[Publications] Ishizaki T.: "Comparison of the interaction potential of a new proton pump inhibitor, E3810, versus omeprazole with diazepam in extensive and poor metabolizers of S-mephenytoin 4′-hydroxylation." Clin. Pharmacol. Ther.58. 155-164 (1995)
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[Publications] Yasuda S.: "Comparison of the kinetic disposition and metabolism of E3810, a new proton pump inhibitor, and omeprazole in relation to S-mephenytoin 4′-hydroxylation." Clin. Pharmacol. Ther.58. 143-154 (1995)
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[Publications] Kobayashi K.: "The effects of serotonin reuptate inhibitors on S-mephenytoin 4′-hydroxylase activity in human liver microsomes." Br. J. Clin Pharmacol. in press.
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[Publications] Chiba K.: "Development and preliminary application of high-performance liquid chromatographic assay of urinary metabolites of diazepam in humans." J. Chromatogr.668. 77-84 (1995)
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[Publications] 千葉寛: "P450を介した薬物相互作用" ファルマシア. 9. 992-996 (1995)