1996 Fiscal Year Annual Research Report
集約的酪農地帯における終宿主駆虫法によるエキノコックス症防除対策の確率
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07557204
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Section | 試験 |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奥 祐三郎 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (60133716)
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Keywords | 多包条虫 / コントロール / イヌ / 糞便抗原 / プラジカルテル / キツネ / 北海道 / 人畜共通感染症 |
Research Abstract |
小清水にけるキツネ巣穴周囲の調査では、観察されたキツネ個体数が少なく、駆虫薬散布の効果判定は不可能と考えられた。さらに前年度に知床において定期的に観光道路周辺の糞便採取を試み、多数のキツネ糞便を採取し、エキノコックスの感染個体も検出されたが、カイセンダニによるキツネ死亡個体が増加し、知床における駆虫薬散布による効果判定も不可能となった。 つぎに、これらのキツネの研究と並行して、小清水町の飼犬と札幌市の捕獲犬の調査を実施した。この目的はイヌのエキノコックス感染率はキツネに比べて低いもののヒトとの接触は密であることから、ヒトへの感染源としてのイヌへの駆虫薬投与の効果測定の基礎データ収集のためである。まず、小清水町では、行政にサポートしていただき多数の農家の飼犬および飼猫(半野生も含む)の糞便採取とこれに関連したアンケート調査も実施した。約100検体の糞便と約50件のアンケート結果を回収した。一部の糞便においてエキノコックス抗原が検出されたが、エキノコックス虫卵は検出できなかった。札幌における調査では、野犬の収容施設における糞便採取を実施し、約90検体回収した。現在虫卵および抗原を検査中である。 上述のように駆虫薬散布の効果判定のためのパイロット地域の選出は当教室だけでは困難であったため、今後北海道のエキノコックス症対策協議会にも我々の調査協力を依頼することとなっている。 最後に、我々の終宿主診断のための糞便内抗原検出法の感度および簡便性改善のために、ABC(アビジンビオチン複合体)法によるマイクロプレートおよびニトロセルロース膜を用いたサンドイッチELISA法を検討した。前者では感度の改善を、後者では前者よりは感度が低いものの、より簡便な方法が開発できた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] INOHARA. J.: "Acquired resistaance against adult Echinocossuc multilocularis infection observed in golder hamsters" Japanese Jounal of Parasitology. 45. 1-5 (1996)
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[Publications] INOHARA, J.: "Parenteral strobilar development of Echinococcus multilocularis in scid mice" Japanese Journal of Veterinary Research. 44. 1-12 (1996)
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[Publications] SAKAI, H.: "Echinococcus multilocularis coproantigen detection in golden hamster, an alternative definitive host" Experimental Animals. 45. 275-278 (1996)
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[Publications] KAMIYA, M.: "Workshop summry : Zoonosis-environmental transmission as exemplified by echinococosis" Veterinary Parasitology. 64. 275-278 (1996)
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[Publications] IWAKI, T.: "Developmental study of Taenisa mustelae in the intermediate and definitive hosts, with a note on the life cycle of T. mustelae in Hokkaido, Japan" Journal of Parasitology. 82. 840-842 (1996)
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[Publications] SATO, H.: "Comparison of serodiagnostic tests and ultrasonography for cystic hydatidosis in an epidemiological study of ruraluruguay" Journal of Parasitology. 82. 852-854 (1996)
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[Publications] NIONAKA, N.: "Time course of coproantigen excretion in Echinococcus multilocularis infections in foxes and an alternative definitive host, golden hamsters" International Journal for Parasitology. 26. 1271-1278 (1996)