1995 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルスを用いた多目的ベクターの開発と実用化
Project/Area Number |
07557215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
榎並 正芳 金沢大学, 医学部, 助教授 (30168794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 進 山ノ内製薬株式会社, 筑波研究センター・第3分子医学研究所, 主管研究員 (90129255)
佐藤 威 国立予防衛生研究所, ウイルス製剤部, 主任研究官 (00221284)
小田切 孝人 自治医科大学, 医学部, 講師 (80177237)
永田 恭介 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (40180492)
豊田 哲也 久留米大学, 医学部, 教授 (00197972)
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Keywords | インフルエンザウイルス / RNAベクター / 遺伝子治療 / サブジェノミックRNA / ウイルス複製 / 宿主因子 / 組換え体ウイルス / 逆遺伝学 |
Research Abstract |
1)組換え体インフルエンザウイルスを作成する系を改良し、種々の変異ウイルスを効率良く回収する、新しいトランスフェクション系を開発した(榎並)。 2)麻疹ウイルス中和抗原蛋白質Hの細胞外領域にインフルエンザウイルスHA蛋白シグナル配列を結合した分泌型蛋白質をデザインした。組換え体バキュロウイルスを用い昆虫細胞で発現したところ、大量に発現され培養液中に効率良く分泌されることが確認された(佐藤、榎並)。 3)インフルエンザウイルスNA蛋白質をコードする第6RNA分節に、ヒト免疫グログリンH鎖結合蛋白質mRNA翻訳開始部位上流に存在するIRESを介在配列として外来遺伝子を導入した。すなわち、HIVgp120蛋白質中和抗原エピトープV3領域を含む分泌型蛋白質を発現する組換え体インフルエンザウイルスを作成した(榎並)。 4)サブジェノミックRNAを優先的に複製・パッケージングするインフルエンザウイルスNS2変異株を用い、CAT遺伝子を挿入したサブジェノミックRNAの複製、蛋白発現、ウイルス粒子への取り込みを検討した。ウイルスゲノムの非コード領域に、ゲノム特異的認識シグナルの存在が確認された(小田切)。 5)インフルエンザウイルスRNA複製に機能する宿主因子の解析を行った。ウイルス感染細胞から宿主因子を抽出分画し、試験管内でウイルスRNA複製活性を促進する分子量100KのRAF(RNA polymerase activating factor)、及び阻害するPRF(Polymerase regulating factor)を同定した(永田)。 6)インフルエンザウイルスRNA複製装置の機能構造解析を行い、RNAポリメラーゼサブユニットPB1、PB2、PA蛋白質相互の結合部位を同定した(豊田)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.A.Sato: "Isolation of the Measles Virus Hemagglutinin Protein in a Soluble Form by Protease Digestion" Jouranl of Vivology. 69. 513-516 (1995)
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[Publications] 榎並正芳: "ネガティヴ鎖RNAウイルスの遺伝子操作-最近の展開-" ウイルス. 45. 145-157 (1995)
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[Publications] 榎並正芳: "ウイルス実験プロトコール,永井美之・石浜明監修,小林信之・永田恭介編集" メジカルビュー社, 360 (1995)