1996 Fiscal Year Annual Research Report
有機溶剤及び鉛暴露の生物学的モニタリングに対して有用な新しい評価指標の確立
Project/Area Number |
07557218
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Research Institution | Saga Medical School |
Principal Investigator |
友国 勝麿 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (40032891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市場 正良 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (60184628)
平井 幸雄 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (90156638)
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Keywords | 生物学的モニタリング / 暴露評価 / 尿中代謝物 / ジメチル馬尿酸 / トリメチルベンゼン暴露 / 鉛暴露 / 血漿δ-アミノレブリン酸 |
Research Abstract |
最近の調査によれば、陶磁器関連のプリント作業ではしばしば「有機溶剤中毒予防規則」による有機溶剤に指定されていない溶剤,例えばトリメチルベンゼン(TMB)を含有するシンナーが使用されており、この様な作業現場で働く労働者の健康影響が危惧れる.そこで本研究では,先ずTMBを取り扱う作業者に対して、その暴露状況を把握すると共に,TMB暴露の生物学的モニタリングに対して有用な新しい尿中代謝物を明らかにし,TMB暴露量と尿中代謝物量との量・反応関係を解析した.その結果,尿中代謝物としては,TMBの3種の異性体の内で最も含有量の多い1,2,4-TMBの主たる代謝物である3,4-ジメチル馬尿酸(3,4-dimethylhippuric acid,3,4-DMHA)が最も有用であることが明らかにされた.更に,TMB暴露濃度と尿中代謝物濃度との量・反応関係を明らかにするために、作業者に拡散型の個人サンプラーを装着して各人の1,2,4-TMB暴露濃度を測定すると共に,その尿中代謝物である3,4-DMHAの排泄量をHPLCにより測定し,両者の関係を解析したところ,比較的良好な直線関係が認められた. 次に,鉛暴露の生物学的モニタリング指標として,従来の尿中δ-アミノレブリン酸(ALA)の他に,血漿中ALAの測定がどの程度有用であるかを,約400名の鉛作業者から得られたデータを解析して検討したところ,血漿中ALAの分析は従来の尿中ALAの測定以上に有用な生物学的モニタリング指標であることが明らかにされた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 友国勝麿: "尿中δ-アミノレブリン酸(スクリーニング法)" 日本臨床. 53. 1383-1388 (1995)
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[Publications] H.Oishi: "Fluorometric HPLC determination of δ-aminolevulinic acid(ALA) in the plasma and urine of lead workers;" J.Anal.Toxicol.20. 106-110 (1996)