1996 Fiscal Year Annual Research Report
固相化プローブを用いる自動DNA診断システムの開発
Project/Area Number |
07557243
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
近藤 壽彦 群馬大学, 生体調節研究所, 講師 (10162108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 修三 (株)ユニオン, 主任研究員
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Keywords | 固相DNAプローブ / 遺伝子解析 / DNA診断 / 自動化システム |
Research Abstract |
1.試作のDNA診断システムを構築し、自動化のための装置及び部品類を新たに作製する傍ら、自動分析のためのソフトウェアを整備した。(1)サーマルコントローラーとCPUを同期させる装置及びPCR温度出力を減衰させるための装置を作製した。この装置によって、HPLCシステムとサーマルコントローラとが一体化され、完全な自動化システムが実現した。(2)試料をカラム内にトラップするための装置を作製した。この装置によって、試料がカラム内に再現性良くトラップできるようになり、カラム内でのPCR増幅反応が可能となった。(3)カラム内の試料を撹拌する装置を作製した。この装置によって、カラム内でのハイブリダイゼーション反応の効率が上昇した。 2.塩基配列特異的熱溶出クロマトグラフ法を確立した。本システムの基本原理を塩基配列特異的熱溶出クロマトグラフ法(SSTEC法)と定めて、本システムの分離・分析条件の評価を行った。その結果、SSTECパターンのピークの位置は、融解温度(Tm値)に一致することが判明し、測定精度は±0.1℃以下と、従来法(hyperchromicity法)より十倍以上も高精度であった。また、分解能が高く、0.2℃のTm値の差は、SSTECパターン上で十分認識可能であった。 3.種々のモデル実験系を組み立て、遺伝子変異の解析を行った。既にクローニングしたウシの性決定遺伝子(bSRY)の一部の塩基配列を固相プローブとして用い、種々の合成DNAを試料としてSSTEC解析を行った。そして、(1)塩基配列の違いに基づくTm値の違い、(2)一塩基変異の及ぼすTm値への影響、(3)変異部位の違いによるTm値の影響などを検討した。その結果、本法では、たとい一塩基の遺伝子変異でも十分検出可能なことが判明した。 4.ポリメラーゼのフィデリティー解析に応用した。675塩基及び60塩基のbSRY-DNAをプローブとして用い、Taqポリメラーゼの増幅回数の違いによるTm値の変化を調べた。その結果、60塩基では変化がなかったが、675塩基のプローブでは、増幅回数が多い程Tm値の低下が顕著であった。これは、本法がポリメラーゼのフィデリティーを直接解析できることを示すものである。
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[Publications] 近藤壽彦: "塩基配列特異的熱溶出クロマトグラフ法の開発と遺伝子変異の解析" 生化学. 68・7. 1201 (1996)
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[Publications] Okajima,F.: "Involvement of pertussis toxin-sensitive GTP-binding proteins in sphingosine1-phosphate-induced activation of phospholipase C-Ca^<2+> system in HL60 leukimia cells." FEBS Lett.379. 260-264 (1996)
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[Publications] Okajima,F.: "Sphingosine 1-phosphate stimulate hydrogen peroxide generation through activation of phos-pholipase C-Ca^<2+> system in FRTL-5 thyroid cells : possible involvement of GTP-binding proteins in the lipid signaling." Endocrinology. 138. 220-229 (1997)