1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07557259
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
柳原 尚明 愛媛大学, 医学部, 教授 (40025581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 哲朗 旭光学工業株式会社, 医用機器事業部, 課長
福山 邦彦 リオン株式会社, 聴能技術部, 部長
村上 信五 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (80157750)
暁 清文 愛媛大学, 医学部, 助教授 (00108383)
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Keywords | 人工中耳 / 耳小骨振動子 / 経皮的ソケット / ハイドロオキシアパタイト |
Research Abstract |
人工中耳はマイクロホンにより電気音響的に変換された音響信号を忠実に機械的振動に変換する圧電セラミック素子により耳小骨を直接駆動し、ひずみの無い自然の聴覚を回復する人工感覚器である。我々の開発した人工中耳はすでに高度先進医療として患者に応用されているが、現行では出力に限りがあるため最高50dBまでの混合難聴に適応が制限されてしまうのが最大の欠点である。この欠点を克服するために本研究が計画された。人工中耳の出力を増加するには次の三つの方法が考えられる。1.経皮的電磁誘導によるエネルギーロスを無くするために経皮的ソケットを開発する、2.耳の外に置く外部駆動ユニットの出力を増加する、3.耳小骨振動子の出力を増加する。平成7年度においては以上の三つの課題について以下の研究を行い成果をあげた。経皮的ソケットには新しい高密度ハイドロオキシアパタイト高密度焼結体により動物に植え込む実験用皮膚ソケットを開発し、その物性と生体適合性を検討した。焼結体の物性は、曲げ強度2200Kg/cm^2、相対密度99.4%で皮質骨と同等以上の性質を有し、皮膚との接合界面からの感染に耐えうる特性を確認し、試作されたソケットは人工中耳用ソケットとして十分な機械的強度と材料表面からの細菌進入を防ぐ緻密な組織を有していることを明らかにした。またこの皮膚ソケットに接合する振動子をデザインした。振動子の感度についてはレーザー干渉計システム(申請備品)を購入設置しアブミ骨底板、蝸牛窓膜の振動の計測を開始している。体外駆動部については約10dB出力を増加したものを試作し、標準型駆動部を利用している患者で出力の不足を感じている4名の患者に適応し、与えられる聴感について検討し、従来型に匹敵する音質、性能を発揮することを確認し、適応の拡大が可能であることを証明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 柳原尚明: "Partially implantable hearing aid using piezoelectric ceramic ossicular vibrator" Otolaryngolgic Clin North America. 28. 85-97 (1995)
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[Publications] 比野平恭之: "人工中耳植込手術の実際と問題点" JOHNS. 11. 521-526 (1995)
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[Publications] 暁 清文: "内耳インピーダンス術中測定の試み" Audiology Japan. 38. 639-640 (1995)
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[Publications] 篠原孝之: "レーザードップラー法による鼓膜およびアブミ骨振動の測定" Audiology Japan. 38. 629-630 (1995)