1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07557260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大山 勝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (70024677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 茂 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (80128454)
外池 光雄 通商産業省工業技術院, 電子技術総合研究所・大阪ライフエレクトロニクスセンター, 主任研究官
加藤 寿彦 福岡大学, 医学部, 教授 (80078766)
古川 仭 金沢大学, 医学部, 教授 (40092803)
馬場 駿吉 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (40079992)
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Keywords | 嗅性誘発電位 / 単離嗅細胞 / 噴霧式携帯用嗅覚検査器具 / 嗅覚識別検査(SIT) / Sctatch and Sniff / 脳磁図 / T&T オルファクトメトリー |
Research Abstract |
新しい他覚的嗅覚検査法の確立に係わる基礎的ならびに臨床的研究実績の概要は下記のとおりである。 1)嗅裂部電気刺激と嗅性誘発電位に関する研究に関して、家兎の嗅粘膜を単極電気刺激し、嗅球由来の電位記録に成功した。一方、ヒトへの応用では、電気性視覚感(ホスフェン)の訴え以外に嗅感の誘発は得られず、刺激部位、刺激条件の設定を再検討する必要のあることが分かった。 2)単離嗅細胞の嗅刺激性応答記録に関する研究では、カエル単離嗅細胞にクロロホルム噴霧で単一細胞インパルスをパッチクランプ法で測定する系を確立し、嗅素選定の実験準備が完了した。 3)嗅素噴霧式携帯用嗅覚検査器具の開発に関しては、小型で噴射圧や粒子拡散態度の点で満足すべき器具開発が終了し、至適嗅素選定のための動物実験の準備が完了した。 4)至適嗅素と刺激法確立のための臨床的研究では、正常成人、307例を対象に、12種類の匂い紙法による嗅覚識別検査(SIT)方法での検討の結果、日本人に有用な嗅素(果物、石鹸、木材、レモン、煙、チョコレート、ガソリン)が明らかとなった。また、Sctatch and Sniff法での嗅素刺激法の長所が確認された。 5)嗅誘発関連電位の測定法に関する研究では、嗅素アミルアセテートを前鼻孔から嗅野に噴射し、脳磁図で前頭側頭部に明かなる嗅性応答部のみられることが確認された。この成果を中心に嗅性誘発電位の測定部が設定され、嗅素刺激法、誘発電位の加算回数や潜時等の問題が論議され、コンセンサスが得られつつある。 6)T&Tオルファクトメモリー用の嗅素中、バラ臭、こげ臭、腐敗臭の3種が、すでに開発が終了した携帯用噴霧式嗅覚検査器具にとって極めて実用的であることが分かった。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 古川仭: "老年者の嗅覚障害" 老化と疾患. 8. 47-52 (1995)
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[Publications] 古川仭: "嗅覚障害" JOHNS. 11. 1095-1099 (1995)
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[Publications] 古川仭: "嗅覚障害の診断と治療" 日本味と匂学会誌. 2. 11-17 (1995)
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[Publications] 古川仭: "嗅上皮における神経栄養因子受容体の分布" 耳鼻臨床. 補85. 58-64 (1995)
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[Publications] H.SAKASHITA: "Differentiation of the Olfactory Epithelium during Development." Acta Otolaryngol(Stockh). 115. 93-98 (1995)
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[Publications] T.TSUKATANI: "Bulbar Morphology and Expression of Bulbar Dopamine and Experimentally-induced Anosmic Rats." Acta Otolaryngol(Stockh). 115. 539-542 (1995)
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[Publications] T.MORIIZUMI: "Electron microscopic study of synaptogenisis and myelination of the olfactory centers in developing rats." Exp Brain Res. 103. 385-392 (1995)
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[Publications] 加藤寿彦: "脳波を指標とした他覚的嗅覚検査" 日本味と匂学会誌. 2. 169-172 (1995)
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[Publications] 大山勝: "嗅覚識別検査(Smell Identification Test)の有用性に関する検討" 日本鼻科学会会誌. (in press).
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[Publications] 古田茂: "嗅覚脱失症例のrisk factorに関する検討" 日本味と匂学会会誌. 2. 531-534 (1995)
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[Publications] 古田茂: "嗅覚機能検査評価法の問題点" 日本鼻科学会会誌. 33(2). 358-361 (1995)
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[Publications] 古田茂: "生活環境と嗅覚障害" JOHNS. 11(7). 979-982 (1995)
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[Publications] 古田茂: "嗅覚閾値検査の有用性に関する検討" 日本味と匂学会誌. 1(3). 464-467 (1994)
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[Publications] Shigeru Furuta: "Olfactory Dysfunction in Patients with Minamata Disease." Am J Rhinology. 8. 259-263 (1994)