1995 Fiscal Year Annual Research Report
マウスの貧血遺伝子W^Vを導入した口唇・口蓋裂マウスの育成と特性の解析
Project/Area Number |
07557281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
河合 幹 愛知学院大学, 歯学部・口腔外科第2講座, 教授 (50064788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 博雄 愛知県三の丸病院, 歯科口腔外科, 医師
吉田 香 愛知県薬剤師会, 生活科学センター, 研究員
粟生 いつ子 藤田保健衛生大学, 内科学, 講師
高橋 久英 藤田保健衛生大学, 衛生学部実験動物学, 教授 (80084606)
夏目 長門 愛知学院大学, 歯学部・口腔外科学第2講座, 講師 (90183532)
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Keywords | 貧血 / 口唇裂 / 口蓋裂 / 疾患モデルマウス |
Research Abstract |
本研究は当該年度において、貧血遺伝子W_vを有する自然発生口唇・口蓋裂マウスであるA/J-Wv及びCL/Fr-Wvの遺伝的安定と血液性状の観察及び口唇・口蓋裂発生率の比較を目的とし、実験を行ってきた。その結果、現在これら2系統は、ともに遺伝子導入系としての国際的基準であるN12世代までの遺伝子導入を終えることができ、新たな系統としての確立に成功することができた。これら2系統は99.9%自然発生口唇・口蓋裂マウス由来の遺伝子を有し、残り0.1%の中にマウス貧血遺伝子Wvを新たに有する貧血遺伝子導入自然発生口唇・口蓋裂モデルマウスである。我々は、この遺伝子導入操作と平行して、マウス貧血遺伝子Wvが確実に導入され、実際に貧血が発現しているかを確認するため、血液検査により白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、平均赤血球容積、平均赤血球血色素量、平均赤血球血液色素濃度を求め、血液性状の変化を観察した。その結果、各世代においてWv遺伝子を有する個体は、赤血球数の減少が観られ、Wv遺伝子が血液性状に確実に影響をあたえており、それが発現していることを確認した。また、口唇・口蓋裂の発生率について各世代ごとにWv遺伝子を有する母体(Wv/+)と有さない母体(+/+)について子宮内の胎仔に口唇・口蓋裂発生率の上昇が観察された。したがって、これらのことから導入過程において貧血母体内で発育した胎仔には、より高率に口唇・口蓋裂が発生することが確認された。現在、これらの2系統はinbreedingにより、さらに安定した系統として維持繁殖が行われているが、この過程においても口唇・口蓋裂の発生率を観察する予定である。
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