1996 Fiscal Year Annual Research Report
骨振動解析によるX線を用いない下顎骨骨量:測定システムの開発とその臨床応用
Project/Area Number |
07557284
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 亨至 東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10205916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 英夫 東北大学, 歯学部, 教授 (50014220)
河内 満彦 東北大学, 歯学部, 講師 (30195044)
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Keywords | 骨振動解析 / 下顎骨 / 骨粗鬆症 / 骨塩量 / 固有振動数 / Skeletal Class III / short face / 骨成熟度 |
Research Abstract |
本研究の目的は,骨粗鬆症のスクリーニングとして研究されている骨振動解析法を下顎骨に応用し,X線を用いない新しい下顎骨骨量測定システムの開発とその臨床応用の可能性について検討することである.昨年度開発した試作品の改良を行った.改良されたシステム(2号機)は,圧電素子(ピックアップセンサ)にオトガイ部を乗せ,前額部を自動的に叩打することにより下顎骨に振動を与えてその骨硬度を評価し,骨の成熟度や内部特性等を推測しようとするものである. まず,精度の確認を行った後,本システムを用いて61名の下顎骨について固有振動数fcの測定を行い,暦年齢,身長,体重,骨塩量などの全身成長や下顎骨形態との関連などについて検討した.その結果,fcは身長や体重と相関を示さなかったが,手骨とは有意な相関を示した.また,セファロ計測値では下顎骨の大きさ,特に下顎枝高や下顎前歯部高,下顎結合部の厚さと相関が認められた.顔面パターンによる比較では,前後的にはSkeletal Class III,垂直的にはshort faceでfcが高値を示す傾向が認められた. 以上の結果から,本システムによって測定されるパラメータは,これまでの測定法゙は得られない下顎骨の形態や骨質を反映する独自の指標になりうることが示された.今後,さらに測定精度を高めてX線を用いない唯一の顎骨評価システムとしての実用化を目指し,顎骨の骨成熟段階の評価,顎骨残余成長量予測の指標,顎矯正外科手術のちの治癒の判定,矯正治療の際の歯の移動に対する抵抗性の評価などに応用してゆきたい.
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