1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07557296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中野 眞汎 熊本大学, 医学部・附属病院, 教授 (40002125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 淳治 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (00226169)
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Keywords | 多相乳剤 / w / o / w形乳剤 / 撹拌乳化法 / 膜乳化法 / 粒度分布 / バンコマイシン / 封入率 / 体内動態 |
Research Abstract |
油相としてリピオドールと植物油または脂肪酸エステルの混合油を、薬物として抗生物質のバンコマイシン、抗癌薬のシタラビン、ドキソルビシン、高分子薬物のウシ血清アルブミン(BSA)を用いてw/o/w多相乳剤を調製した。界面活性剤として親油性界面活性剤HCO-40と親水性界面活性剤HCO-60やPluronicF-88を用いた。 W/o/w多相乳剤の調製法として、撹拌乳化法(従来の2段階乳化法)と膜乳化法を用いた。いずれのw/o/w多相乳剤も4℃の条件下で相分離せず粒子径等に変化を示さなかった。W/o/w多相乳剤の粒子径は、撹拌乳化法では調製時の撹拌速度により、膜乳化法では膜乳化機に装着した膜の細孔径によりそれぞれコントロール可能であった。また、調製されたw/o/w多相乳剤の粒度分布は、膜乳化法のほうがシャープであった。 W/o/w多相乳剤中への薬物の封入率は、薬物の分子量が大きいほど高値を示した。特に低分子薬物を封入する場合、膜乳化法のほうが撹拌乳化法よりも高い封入率を示した。In vitroにおけるw/o/w多相乳剤からの薬物放出は、低分子薬物ほど速やかであり、撹拌法より膜乳化法のほうが薬物放出を抑制していた。 撹拌乳化法で調製した3種類のバンコマイシン封入w/o/w多相乳剤(平均粒子径が3、10および40μm)を、ラットの静脈内に投与し、バンコマイシンの体内動態を検討したところ、いずれもバンコマイシン生理食塩液投与群と比較してk_<elβ>の延長が観察された。特に3μmのw/o/w多相乳剤は投与後45分以降、バンコマイシン生理食塩液投与群よりも高い血中濃度を示した。 バンコマイシンおよびドキソルビシンを封入したw/o/w多相乳剤をラット大腿筋肉内に投与した後24時間後では薬物の生理食塩溶液群よりも高いリンパ節内濃度を示したが、逆に血中濃度は低かった。
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[Publications] H.Okochi and M,Nakano: "Basic studies on Formulation,method of preparation and characterization of water-in-oil-in water type multiple emulsions containing vancomycin" Chemical and Pharmaceutical Bulletin. 44(1). 180-186 (1996)
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[Publications] 大河内秀昭,中野眞汎: "各種水溶性薬物封入w/o/w emulsionの乳剤学的性質と体内動態" Drug Delivery System. 11(1). 37-42 (1996)