1995 Fiscal Year Annual Research Report
ダイノルフィンフランクメントによる抗痴呆薬の開発研究
Project/Area Number |
07557303
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
亀山 勉 名城大学, 薬学部, 教授 (10076698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 博陽 大正製薬, 総合研究所, 主任研究員
佐々木 有亮 東北薬科大学, 教授 (70104081)
鍋島 俊隆 名古屋大学, 医学部, 教授 (70076751)
林 基治 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (10027500)
福田 英臣 日本大学, 薬学部, 教授 (50080172)
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Keywords | ダイノルフィン / ガラニン / 一酸化炭素 / 学習行動 / カッパオピオイド受容体 / 海馬 / 自発的交替行動 / コリン作動性神経系 |
Research Abstract |
κ-オピオイド神経系の学習・記憶に対する生理学的意義を明らかにするため,コリン作動性神経伝達を抑制するgalaninまたはcarbacholの投与,さらに一酸化炭素負荷により誘発される学習・記憶障害に対するk-オピオイド受容体作動薬の作用を,行動薬理学的および神経化学的に検討し,以下の結果を得た. 1)一酸化炭素負荷マウスにdynorphinA(1-13)(1.5nmol/mouse,i.c.v.)を訓練試行または保持試行の15分前に投与すると,一酸化炭素負荷による学習・記憶障害が改善され,この作用はk-オピオイド受容体拮抗薬のnor-binaltorphimine(nBNI5.4nmol/mouse,i.c.v.)の前処置により有意に拮抗された.自発的交替行動においても同様に,一酸化炭素負荷により自発的交替行動率が低下し,dynorphinA(1-13)はこの作用を改善した.nBNIは,dynorphinA(1-13)による学習・記憶改善作用を抑制した. 2)訓練試行または保持試行の30分前にgalanin(0.32nmol/rat,i.c.v.)をとうよすると,ステップスルー潜時が短縮し学習・記憶障害が惹起された.DynorphinA(1-13)(0.5nmol)は,galaninを訓練試行または保持試行前に投与した時に見られた学習・記憶障害を有意に改善し,これらの作用はnBNI(5.4nmol)の前処置により拮抗された. 3)Galanin(0.32nmol)の投与により,海馬および前脳皮質の細胞外アセチルコリン濃度が有意に減少した.これらの作用は,dynorphinA(1-13)(0.5nmol)の前投与により有意に抑制された.DynorphinA(1-13)によるアセチルコリン遊離減少を消失させる作用は,nBNI(5.4nmol)の前処置によりほぼ完全に拮抗された.海馬および前脳皮質におけるアセチルコリン濃度に対して,dynorphinA(1-13)(0.5nmol)およびnBNI(5.4nmol)自身は何ら影響を与えなかった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M. Hiramatsu, H. Mori, H. Murasawa, T. Kameyama: "Improvement by dynorphin A(1-13) of galanin-induced impairment of memory accompanied by lbockage of reductions in acetylcholine release in rats" Brit. J. Pharmacol.117(in press). (1996)
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[Publications] M. Hiramatsu, M. Sasaki, T. Kameyama: "Effects of dynorphin A(1-13) on carbon monoxide-induced delayed amnesia in mice studied in spontaneous alternation performance" Pharmacol. Biochem. Behav.(in press). (1996)