1996 Fiscal Year Annual Research Report
新型医薬品開発のための含フッ素キラル合成素子の構築とその効率的活用
Project/Area Number |
07557304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 試験 |
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
竹内 義雄 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (20111750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 真郎 エーザイ株式会社, 嘱託
米谷 正 富山工業高等専門学校, 物資工学科, 助教授 (60042842)
平井 美朗 富山大学, 理学部, 教授 (70111747)
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Keywords | α-フルオロアミノ酸 / 含フッ素ペプチド / 2-(1-フルオロエテニル)ピロリジン / タイソスター / TRH類縁体 |
Research Abstract |
1)N-ベンゾイルプロリンアミドに二炭酸ジ-t-ブチルを作用させてBoc体とした後,KOHにより対応するカリウム塩を合成した.この塩とエチルブロモフルオロアセテートとの縮合を試みたところ,構造的にはα-フルオログリシンを含む,目的とするジペプチド誘導体の生成がスペクトル的に確認された.しかし,得られたものはジアステレオマ-の混合物であるのみならず,それらにはN-アシルピロリジン構造に由来する回転異性体が存在するため,単離同定を行うまでには至らなかった. 2)上述した,立体異性ならびに回転異性に起因する成績体の複雑化を避けるため,次に,不斉中心を持たない鎖条アミノ酸のグリシンを用いた.ジペプチド形成後の脱保護の視点からN-ジ-Bocグリシンメチルエステルとそれに対応するN-Boc-N-Z誘導体を合成し,これらのアンモニア/メタノールによるアミド化を試みたところ,それぞれ脱Boc化および脱Z化が起きたN-Boc-グリシンアミドが生成した.次に,グリシンメチルエステルをN-ベンゾイル化後N-ベンジル化し,エステル部をアミドとした.そしてその1級アミド部分にN-Boc化を施して,目的とするガブリエル反応の原料を合成した.このカリウム塩とエチルブロモフルオロアセテートとの縮合を試みたところ,目的とするジペプチド類縁体を得ることができた.現在このジペプチド体の脱保護的条件を検討中である. 3)プロリンアミドイソスターとして前回その合成に成功した2-(1-フルオロエテニル)ピロリジン(1)を用いて,甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの脳機能改善作用の増強と作用の持続性が期待されているTRH類縁体pGlu-Leu-Pro-NH_2 (2)の合成を試みた.1とBoc-Leu-OHをDCC法を用いて縮合し,得られた化合物にTFAを作用させてBoc基を除去した後,DCC-HOBtの条件で更にpGlu-OHと反応する方法で2を得ることに成功した.現在,2の生物活性を調べている段階である.
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