1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07557307
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
福田 康一郎 千葉大学, 医学部, 教授 (10009649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 知子 千葉大学, 医学部, 助手 (20272320)
林 文明 千葉大学, 医学部, 講師 (80173029)
西野 卓 千葉大学, 医学部, 教授 (80009703)
平澤 博之 千葉大学, 医学部, 教授 (80114320)
栗山 喬之 千葉大学, 医学部, 教授 (20009723)
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Keywords | 脳死 / 無呼吸 / 呼吸リズム / 気道内陰圧負荷 / 呼吸運動記録法 / 茎突咽頭筋筋電図 / 呼吸刺激法 |
Research Abstract |
無呼吸テストは脳死判定上最も重要な検査項目である。従来の判定基準は人工呼吸の停止後、体内の炭酸ガスの蓄積を酸素の低下が呼吸を刺激しても自発呼吸運動が観察されないこととされている。この基準では、自発呼吸運動の観察が視診・触診によるため客観性がないばかりでなく、呼吸刺激法として高炭酸ガスあるいは低酸素を用いる点に重大な問題がある。本年度は呼吸刺激法として、安全性が高く、短時間で適応可能であり、確実な方法としての気道内陰圧負荷法を検討した。この目的のために、前年度に自発呼吸の有無を観察記録する方法として明らかにした舌咽神経茎突咽頭筋枝の吸息性活動を指標として、種々の呼吸抑制因子によって呼吸リズムを停止させた後、気道内陰圧負荷を行い呼吸リズムの再開過程を検討した。麻酔ラットを人工呼吸し、呼気終末時に気道内に陰圧(-5〜-15cm水柱)を10〜20秒間加えて横隔神経と舌咽神経茎突咽頭筋枝の吸息性活動の変化を観察した。呼吸リズムの発生を人工呼吸の周期と一致させるため、肺迷走神経求心路は切断しなかった。はじめに正常酸素、炭酸ガス状態で呼気終末時気道内陰圧負荷の効果を調べたところ、人工呼吸周期に同期したリズムのまた、吸息性活動の増加を認めた。次に過剰換気による低炭酸ガス性無呼吸、さらに化学感受性領野のある延髄腹側表面の冷却による無呼吸によるリズム停止時に、呼気終末時気道内陰圧を負荷することによってリズムが再開した。呼吸の周期性活動はまず舌咽神経茎突咽頭筋枝に出現し、次いで横隔神経にも周期性吸息性活動が回復した。低炭酸ガス状態が著しいリズムは再開しなかったので、無呼吸テスト時には炭酸ガスを正常レベルに維持する必要があると判断された。 無呼吸テストの自発呼吸観察法として、舌咽神経茎突咽頭筋の筋電図活動を記録する必要があるので、記録手枝の検討を行った。同筋は頸部深くに位置し、大きさも小さいので、皮膚表面電極あるいは針状電極刺入による記録は困難である。従って。表面に電極を貼付したバルーンを経口的に咽頭部まで挿入して、内部から記録する必要があるとの結論に達した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Fukuda Y: "Induction of respiratory rhythmicity by electrical stimulation of the medullary surface in anesthetized rats" Jpn J Physiol. 45Suppl1. S84 (1995)
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[Publications] Hayashi F and Fukuda Y: "Electrophysiological properties of phrenic motoneurons in adult rats" Jpn J Physiol. 45. 69-83 (1996)
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[Publications] Torikai H et al.: "Recruitment order and dedritic morphology of rat phrenic motoneuorons" J Comp Neurol. 366. 231-243 (1996)
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[Publications] Ataka H et al.: "Effects of hypoxia on the ventral root motor-evoked potential in teh in vitro spinal cord preparation" Spine. 21. 2095-2100 (1996)