1996 Fiscal Year Annual Research Report
白血病細胞における分化特異的転写因子発現の解析とそれに基づく病型診断法の開発
| Project/Area Number |
07557329
|
|---|
| Section | 試験 |
|---|
| Research Institution | Tohoku University |
|---|
Principal Investigator |
林 典夫 東北大学, 医学部, 教授 (00004606)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古山 和道 東北大学, 医学部, 助手 (80280874)
峰岸 直子 東北大学, 医学部, 助手 (40271895)
|
|---|
| Keywords | 転写因子 / 白血病 / GATA-2因子 / プロモーター / 造血細胞 / トロンボポエチン / MLP / M-TAT細胞 |
|---|
| Research Abstract |
転写因子による遺伝子発現制御機構の解明は細胞分化や発癌の機構を理解する上で重要であり、本研究では、血球の分化や増殖に関与するGATA因子群等の転写因子の白血病細胞における発現を調べ、その意義を解析する。昨年度の白血病細胞での検討から、白血病細胞でのGATA因子発現様式は正常血球分化における対応する各段階の細胞のものにほぼ一致していることが知られた。特に、GATA-2は分化段階の若い段階からGATA-1より広範囲に発現しており、骨髄幹細胞のマーカーとされるCD34が陽性の細胞に高率に発現していた。本年度には、本年度には、このようなGATA-2遺伝子発現の調節機構の解明を試み、1)マウスGATA-2遺伝子について、その発現調節には2つのプロモーターが働いており、下流側のプロモーターIbは既報のヒトやアフリカツメガエルのGATA-2プロモーターと相同のものであるが、上流側のプロモーターIaは本研究で新たに見出だされたものであること、2)造血幹細胞や前駆細胞では主にIaプロモーターが使われていること、3)プロモーターの転写開始点の上流-79〜-61bpの領域が細胞系列特異的なIaプロモーター活性に関与し、さらに、この領域にはいくつかの未知のタンパク質因子が結合し、これらのタンパク質間の複雑な相互作用の存在が示唆されることなどを明らかにした。また、ヒト白血病由来サトトカイン依存性細胞株M-TAT細胞にトロンボポエチン(TPO)受容体(MPL)遺伝子を導入した細胞株(M-TAT/MPL細胞)を作成し、エリトロポエチン(EPO)とTPOの信号によって誘導される転写因子の解析を行った。その結果、M-TAT/MPL細胞ではGATA-1、GATA-2、NF-E2p45、MafKなどの転写因子の発現レベルがTPO刺激以前に上昇しており、TPO刺激による巨核球への分化に際しては、これらの因子に明確な変動が見られず、他の因子の関与が考えられた。
|
-
[Publications] Oydaka, Tatsuya: "Bach proteins belong to a novel family of BTB-basic leucine zipper transcription factors that interact with MafK and regulate transcription through the NF-E2 site" Mol. Cell. Biol.16・11. 6083-6095 (1996)
-
[Publications] Onodera, Ko: "Comserved structure, regulatory elements, and transcriptional regulation from the GATA-1 gene testis promoter" J. Biochem. 121・2. 251-263 (1997)
-
[Publications] Nagai, Tadashi: "5-Aminolevulinate synthase expression and hemoglobin synthesis in a human myelogenous leukemia cell line" J. Biochem.121・3. 487-495 (1997)
-
[Publications] Minegishi, Naoko: "Expression of GATA transcription factors in myelogenous and lymphoblastic leukemia cells" Int. J. Hematol. (印刷中). (1997)
-
[Publications] Nagai, Mayumi: "Novel regulation of σ-aminolevulinate synthase in the rat Harderian gland" Biochem. Pharmacol.(印刷中). (1997)
-
[Publications] Furuyama, Kazumichi: "Peridoxine refractory X-linked sideroblastic anemia cused by a point mutation in the erythroid 5-aminolevulinate synthase gene" Blood. (印刷中). (1997)
