1996 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロン感受性C型肝炎ウイルス簡易同定法の開発
Project/Area Number |
07557338
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Section | 試験 |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 千史 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60154069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒崎 雅之 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10280976)
榎本 信幸 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20251530)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / インターフェロン / 慢性肝炎 |
Research Abstract |
同一の個体の中でもIFNに抵抗して残存するquasispeciesとIFN投与により消失するquasispeciesが存在する。NS5A領域のアミノ酸配列がHCV-Jプロトタイプと同配列のquasispeciesは残存し、変異のあるquasispeciesが消失する。治療前にこの領域がアミノ酸変異を多く有するmutant type、変異を全く認めないwild typeを比べると、前者ではIFN著効、後者ではIFN無効となる。これらのことから、IFN効果を予測するためには、その個体がIFN抵抗性のHCVを保有しているかどうかを調べればよい。本研究の目的は個体中にwild typeが存在するか否かを調べる簡易測定法を開発することにあった。 IFN治療前にwild typeであったIFN無効例ではIFN治療後もwild typeのままであった。IFN治療前にintermediate typeであったものはIFN治療後に一部がwild typeになり、一部はintermediate typeのままであった。Direct sequencing法ではmutant typeであるにもかかわらずIFNが無効であった症例ではIFN治療後にintermediate typeに置換されていた。一方、cloning法で調べると、IFN無効例ではより変異の多いものから消失していくことが分かった。これらのことから、IFN治療後にはより変異の少ないquasispeciesが選択されていくことが分かった。またdirect sequencing法を改良することによって実用に耐える検出法に成りうることがわかった。
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