1995 Fiscal Year Annual Research Report
グルコース応答性インスリン遺伝子発現及び分泌メカニズムの筋芽細胞への導入
Project/Area Number |
07557355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
河盛 隆造 順天堂大学, 医学部, 教授 (00116021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶本 佳孝 大阪大学, 医学部, 医員
山崎 義光 大阪大学, 医学部, 助手 (40201834)
望月 健太郎 順天堂大学, 医学部, 助手 (40266044)
有坂 知之 順天堂大学, 医学部, 助手 (30266043)
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Keywords | インスリン遺伝子 / グルコキナーゼ遺伝子 / 遺伝子治療 / 筋芽細胞 / 転写因子 / 遺伝子発現調節 / 遺伝子導入 / 糖尿病 |
Research Abstract |
非β細胞におけるグルコース応答性インスリン分泌機構の確立には複数の遺伝子の発現を細胞に誘導する必要がある。中でも鍵となるのはインスリン遺伝子、およびグルコースセンサーとして機能するグルコキナーゼ遺伝子の発現である。我々は、それら2遺伝子に関して、以下のような実験を行った。 1.ヒト・グルコキナーゼ(GK)遺伝子プロモーターの解析 膵β細胞分化因子として重要な働きを有するインスリン遺伝子転写因子IPF1がGK遺伝子発現にも関与する可能性を中心に検討した。即ち、HIT細胞等を用いルシフェラーゼをレポーター遺伝子とした一連の遺伝子導入並びにゲルシフト解析を行った結果、(1)ヒトGK遺伝子の活性化には、hPal-1、hPal-2、hUPE3の少なくとも3つのcis調節領域が関与すること、(2)うち、hPal-1領域には膵β細胞特異性を認めない核蛋白が結合すること、(3)一方、hUPE3領域にはインスリン遺伝子転写因子IPF1が結合しGK遺伝子を活性化すること、(4)HIT細胞核抽出物とhUPE3領域のプローブとの間で形成されるゲルシフト複合体は、その全てが抗IPF1抗体によりsuper-shiftすること、(5)インスリン遺伝子プロモーターと異なり、GK遺伝子プロモーターには、グルコース応答性、あるいは、IPF1とE蛋白との相乗作用を認めないこと、がそれぞれ示された。これらのことから、GK遺伝子の発現には膵β細胞特異的あるいは非特異的な複数の転写因子が関与するが、転写因子IPF1はインスリン遺伝子とGK遺伝子の間で共有されることが示された。 2.IPF1遺伝子導入αTC1細胞におけるインスリン遺伝子・グルコキシナーゼ(GK)遺伝子発現機構 IPEF1をstableに発現するαTC1細胞を構築した。その結果、Glut2遺伝子の発現は誘導されない一方で、インスリン遺伝子およびGK遺伝子の発現を認めた。これは、IPF1が非β細胞をインスリン・GK産生細胞に変える潜在的能力を有することを示すものである。 上記以外にC2C12細胞に対する遺伝子導入条件を決定するための実験を施行中であったが、次第に至適条件が明らかとなりつつある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yamasaki Y et al: "Apoptotic cell death triggered by nitric oxide in pancreatic β-cells" Diabetes. 44. 733-738 (1995)
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[Publications] Kajimoto Y et al: "Ubiquitous, but variable expression of two alternatively spliced mRNAs encoding mouse homologues of transcription factors E47 and E12" Gene. 153. 255-259 (1995)
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[Publications] Kawamori R et al: "Individual variability of carbonyl reductase activity for acetohexamide in human erythrocytes" Am J Therapentics. 2. 47-49 (1995)
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[Publications] Kawamori R et al: "Expression of CD38 gene, but not of mitochondrial glycerol-3-phosphate delydrogenase gene, is impaired in pancreatic islets of GK rats" Biochem Biophys Res Commun. 214. 239-246 (1995)