1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルペスチミジンキナーゼ遺伝子、ガンシクロビルによる膀胱癌遺伝子治療
Project/Area Number |
07557364
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
秋元 成太 日本医科大学, 医学部, 教授 (50089752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 聡 日本医科大学, 医学部, 助手 (70246940)
寺島 保典 日本医科大学, 医学部, 講師 (80207480)
島田 隆 日本医科大学, 医学部, 教授 (20125074)
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Keywords | 遺伝子治療 / 膀胱癌 / アデノウィルスベクター / HSV-tk |
Research Abstract |
癌に対する遺伝子治療の基礎・臨床研究が進められている。我々は、ラットBBN誘発膀胱癌モデルを用い、アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療実験を行った。標識遺伝子であるlacZ発現ベクターを膀胱内注入すると、腫瘍組織へのpreferentialな遺伝子導入が認められた。その機序としてGAG(glycosaminoglycan)の関与を考えた。正常膀胱をGAGを除去するためにHClで洗浄した、同様の遺伝子導入を行ったところ腫瘍と同様に膀胱は青く濃染した。さらに、alsian染色で、GAGを染色したところ膀胱腫瘍、HCL洗浄膀胱では、GAGが欠如していた。以上の結果から、このpreferentialな遺伝子導入にはGAGの関与が深く推測された。今後、ヒト膀胱腫瘍について検討する予定である。 さらに代表的な自殺遺伝子であるHSV-tkとGanciclovir(GCV)を用いた遺伝子治療実験では、腫瘍の縮小或いは、増殖抑制のためと考えられる著明な抗腫瘍効果が認められた。この治療法は、膀胱癌の特徴を生かした治療法であり、非常に臨床に近い腫瘍モデルでかつin vivo遺伝子導入によって治療効果が認められた意義は、膀胱癌の遺伝子治療を考える上で非常に重要であると考える。
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