1995 Fiscal Year Annual Research Report
胎仔操作を用いた新しい口唇裂口蓋製モデルの作成に関する研究
Project/Area Number |
07557370
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大橋 靖 新潟大学, 歯学部, 教授 (30013874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 明彦 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30262447)
永田 昌毅 新潟大学, 歯学部, 助手 (10242439)
小野 和宏 新潟大学, 歯学部, 助手 (40224266)
中野 久 新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60180329)
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Keywords | 口唇裂 / 口蓋裂 / Exo utero / 奇形誘発 / モデル動物 / レーザー |
Research Abstract |
今年度は胎仔操作に伴う胎仔の障害を減少することを目的とし、実験法と周辺機器のシステムの確立をおこなった。 【encircled1】胎仔操作システム:Exo‐utero法に基づき胎仔操作を行うにあたり、従来の実験結果では、胎齢10日目のマウス胎仔では生存が困難だった。胎仔死亡の原因として、感染による腹膜炎の併発や術中の体温低下、出血が考えられた。今年度私達は、実験動物の体温喪失を防ぐため実体顕微鏡装置に付設した温箱(加温装置:オリンパスIX‐CBIB100;KITAZATO‐Microwamer plate,MP30‐DMO)を作成した。また、胎仔操作に伴う羊水の喪失や出血をなくすためアルゴンレーザー凝固装置(NIDEK,AC‐2300)を胎仔操作に用いた。 【encircled2】実験方法:妊娠10日から12日のマウス母獣(C57BL/6J)をハロタン麻酔下、無痛的に開腹した。子宮筋膜を除去後、実体顕微鏡明視下にて胎仔操作を行った。羊膜を介して胎仔上顎突起または下顎突起に凝固操作を行った。胎仔操作は一母獣あたり1から2匹の胎仔に行った。操作した胎仔は、顔面口腔の基本的形態が完成する胎齢16日に、母獣をエーテル麻酔下、無痛的に摘出し形態を観察した。 【encircled3】結果と考察:本研究で設置した胎仔操作システムにより、顔面に凝固操作を加えた胎齢10日から12日の胎仔のほとんどが生存したことを確認した。操作した胎仔は同腹の他胎仔に比し、体長、体重ともに明らかな差は見いだされず、一連の胎仔操作法が操作後の胎仔発生と発育に与える影響がほとんどない事が示唆された。早期の胎仔顔面の凝固操作により顔面半側の組織量の減少がみられ、奇形誘発を目的としたこの時期の胎仔操作が十分可能であることが明らかとなった。 平成8年度はレーザー凝固による操作部位と範囲を一定化し、操作部位と時期に変化をあたえ、後に生ずる障害の状態を観察する。
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