1995 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディアと通信を利用した日本語学習支援ツールの開発
Project/Area Number |
07558045
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
斎藤 洋典 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (40178504)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 正浩 名古屋大学, 教育学部, 助手 (40242789)
外池 俊幸 名古屋大学, 言語文化部, 助教授 (80180157)
八田 武志 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (80030469)
三輪 和久 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (90219832)
筧 一彦 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (90262930)
|
Keywords | マルチメディア / 通信 / 日本語 / 学習 / 支援 / 漢字 / CAI |
Research Abstract |
本プロジェクトは、マルチメディアと通信とを利用した計算機上で利用可能な日本語学習を支援するツールとしてのコンピュータ・プログラムの開発を目指す。本システムは利用者として、日本語を母語とする児童(小学生低学年程度)および日本語を母語としない留学生とを想定し、彼らが日本語の表記(仮名・漢字)、語彙および簡単な文の修得と運用とをより効率的かつ円滑に行い得ることを支援するとともに、その学習過程を促進することを目指す。 具体的には、以下の1)から4)の遂行を目的とし、現在、A)からC)を完成しつつある。 1)日本語を母語とする児童と留学生との日本語学習過程における差異を明らかにし、共通利用プログラムと個別利用プログラムとしてのツールを開発する。 2)語彙獲得(インテリジェント・データベースの構築)という観点からモデルを提案し、そのモデルに基づき、日本語の仮名漢字の読み書き技能の修得を促進するプログラムを作成する。3)日本語学習ツールとして、個別単独機器として利用可能なだけではなく、通信回線を利用した双方向通信特性を備えた、コミュニケーションツールとしての運用可能性をも追求する。4)学習を強制するのではなく、支援するために学習者のモティベーションとニーズとを設計に盛り込む。 研究実績:A)JIS1種に含まれる漢字の分解作業とそれに基づく分析により、漢字の効率的な学習を促進するための学習テーブルをほぼ完成しつつある。残された課題は、漢字部品の結合関係にストーリー性を与え、学習者の学習意欲を高めることである。B)日本語の仮名漢字の読み書き技能の修得を促進するプログラムのデモンストレーションバージョンを作成し、テストを行なっている。これは、プロジェクトA)、及び今後開発されるツールとの結合を進める予定である。C)通信を利用したプログラムにおける共同学習の可能性とそれがもたらす学習意欲の促進効果について検討を開始した。
|
Research Products
(15 results)
-
[Publications] Flores d'Arcais,G.B.,Saito,H.,& Kawakami,M.: "Phonological and semantic activation in reading Kanji characters." Journal of Experimental Psychology:Learning,Memory,and Cognition. 21. 34-42 (1995)
-
[Publications] 斉藤 洋典: "漢字構成における部品(部首)の出現頻度表" 情報文化研究. 1. 113-134 (1995)
-
[Publications] 斉藤 洋典: "漢字構成における部品(部首)・音韻対応表" 情報文化研究. 2. 89-115 (1995)
-
[Publications] 筧 一彦: "音声知覚のモデル" 行動計量学. 42. 30-39 (1995)
-
[Publications] Amano,S.,Kondo,T.,& Kakehi,K.: "Modality dependency of familiarity ratings of Japanese words." Perception & Psychophysics. 57. 598-603 (1995)
-
[Publications] 近藤公久・筧 一彦: "音声情報と同時に提示される文字情報の音声知覚に与える影響" 日本音響学会誌. 51. 548-557 (1995)
-
[Publications] 大曽 美恵子: "だって、なんか、なんて" 言語文化論集(名古屋大学言語文化部). XVII. 81-90 (1995)
-
[Publications] 大曽 美恵子: "インターネット用日本語教材の作成" 言語文化部特定研究シリーズ(名古屋大学言語文化部). 6(印刷中).
-
[Publications] 小森 早江子: "日本語学習者のための漢字学習支援ハイパーメディア教材の開発" 私立大学情報教育協会ジャーナル. 73(印刷中).
-
[Publications] 外池 俊幸: "強要-不完全な文を解釈することを強要された場合に我々にできること" 国際日本文化研究センター. 81-104 (1995)
-
[Publications] 外池 俊幸: "テキスト処理環境の整備:作文・外国語学習支援" 言語文化部特定研究シリーズ(名古屋大学言語文化部). 6(印刷中).
-
[Publications] 斉藤 洋典: "メンタル・レキシコン(認知心理学3言語)" 東京大学出版会, 293 (1995)
-
[Publications] 三輪 和久: "記憶のコンピュータ・シミュレーション(認知心理学2記憶)" 東京大学出版会, 292 (1995)
-
[Publications] Sugiura,M.,& Ozeki,S.: "Quick Dialog:A hypermedia program for studying spoken English in context.(Multimedia Language Teaching)" Logos International(印刷中),
-
[Publications] Hatta,T.: "Reading disabilities in Japan(Scripts and Literacy,Chap.15)" Kluwer Academic Press, 16 (1995)