1997 Fiscal Year Annual Research Report
各種微生物及び細胞外高分子ポリマーによる環境汚染重金属の検出と回収除去技術の開発
Project/Area Number |
07558081
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大村 達夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 寛治 栗田工総合研究所, 主任研究員
海田 輝之 岩手大学, 工学部, 助教授 (30117072)
原田 秀樹 長岡科学技術大学, 教授 (70134971)
遠藤 銀朗 東北学院大学, 工学部, 教授 (80194033)
野池 達也 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90005398)
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Keywords | バイオポリマー / 重金属 / 重金属耐性遺伝子 / グラニュール / 水銀 / バイオリーチング |
Research Abstract |
微生物は外的環境から微生物自身の遺伝や代謝に関係する物質を保護するために細胞外重合体(バイオポリマーと略する)を生成する。特に、微生物が致死量以下の毒性のある物質の存在下にさらされた場合、大量で特異的なバイオポリマーを創り出すことが知られている。生成されたバイオポリマーは外環境から細胞を守るバリアとして機能するだけではなく、時として、毒性物質と結合してその毒性を緩和することも知られている。バイオポリマーに関する研究はその特異的性質から多方面にわたっており、その利用方法も様々である。特にその優れた吸着性能の着目した研究は注目されている。 本研究は、多種類の重金属を細胞外高分子ポリマーにより吸着除去し、更に吸着した重金属類を回収する技術を開発する事を目的にした。また、吸着性のの高分子ポリマーを生成し、かつ重金属耐性を持った微生物を分離・培養しその遺伝学的情報を得ることも重要な本研究の課題である。 初年度及び第2年度は廃棄に当たり重金属の存在が問題となっている下水汚泥からの重金属の回収を微生物を利用して行った。その結果、鉱酸を用いた溶出法を上回る溶出効率を得た。また、最も有毒な重金属のひとつである水銀に耐性があり、更に常温で液体として存在する水銀を気化させ、固形物中から除去する作用を併せ持った細菌を単離することに成功した。また、その単離菌の遺伝子情報の検索にも手を付け、現在その研究は進行中である。最終年度の研究として嫌気性消化槽内細菌の発生するバイオポリマーによって形作られるグラニュール汚泥の特性を研究し、バイオポリマーの生成促進機構を研究した結果、構成主要因の物質として多糖類が挙げられその分子量は2万〜4万の間にあることがわかった。バイオポリマーは重金属によらず多くの物質を吸着することがわかり、更に多くの環境有害物質の吸着除去のための特異的バイオポリマーの開発研究が必要である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 大村達也 他: "小児麻痺ウイルスの吸着除去を目的としたバイオポリマーの創造" 平成9年度土木学会東北支部研究発表会講演概要. (印刷中).
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[Publications] Endo et.al: "Study on the development of bio-luminescence sensor for detection of mercurials using a light emission gene and a mercury-resistance operon." 土木学会第52回年次学術講演会. 第7巻. 532-533 (1997)
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[Publications] 原田秀樹他: "16SrRNA標的モレキュラー・プローブのIn-situ Hybridizationによる嫌気性汚泥微生物の生態学的構造解" 環境工学研究論文集. 第34巻. 51-60 (1997)
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[Publications] 海田輝之他: "下水汚泥からの銅の溶出除去に関する研究" 環境工学研究論文集. 第34巻. 361-369 (1997)
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[Publications] 中村寛治他: "ルシフェラーゼ遺伝子を利用したトリクロロエチレン分解能を有する遺伝子組替え体のモニタリング" 環境工学研究論文集. 第34巻. 41-50 (1997)