1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07558088
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Section | 試験 |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑嶋 功 東京工業大学, 理学部, 教授 (50016086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森平 浩一郎 山之内製薬(株), 第四創薬研究所, 研究員
堀口 良昭 東京工業大学, 理学部, 助教授 (80209296)
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Keywords | タクスシン / タキシニン / タキソ-ル / 不斉合成 |
Research Abstract |
タクスシン、タキシニン、タキソ-ル及びその関連物質の合成について検討した。すなわち、前年度までの成果に基づいて、三環性化合物を合成し、4β-水酸基の効果を利用してΔ^<3,7>-二重結合にβ-側から選択的にシクロプロパン化を行った後、シクロプロピルケトンとし、Birch還元により19-メチル基を導入した。5位水酸基の導入および4位ケトンのメチレン化を経て、タクスシンの全合成に成功した。一方、ジアステレオ選択的共役付加を利用して、三環性環化前駆体を光学活性体として合成し、これを経て、タクスシンの不斉全合成も行った。 タキシニンの全合成に関しては、Cフラグメントとしてアニソールを持つ三環性化合物を合成し、その9-ケト体のBirch還元及びメチル化を経て、19-メチル基を含む三環性化合物を合成した。このC環部のシクロヘキセノール誘導体への変換を経てタキシニンの全合成を検討している。最も重要且つ興味深いタキソ-ルの全合成については、Cフラグメントとしてシクロヘキサジエンを用いる合成ルートに関して検討した。すなわち、所定の三環性炭素骨格を構築した後、一重項酸素酸化により、4-及び7-位に共にβ-側から水酸基を導入した。さらにタクスシンの場合と同様にシクロプロピルケトンを経て、その環開裂による19-メチル基の導入について検討を加えたところ、当初の計画通り、環開裂は起こったが、生成物はΔ^<3,4>-エノールとして得られた。現在、このエノールを目的のケト体に変換すべく検討を加えており、これを経由してタキソ-ルの不斉全合成を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] I.Kuwajima: "A New Synthetic Method for Cyclopentanones via Formal [3+2] Cycloaddition Reaction" SynLett. NO.2. 157-158 (1996)
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[Publications] I.Kuwajima: "Methylenecyclopentane Annulation via Formal [3+2] Cycloaddition Reactions" Tetrahedron Lett. 37・NO.33. 5943-5947 (1996)
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[Publications] I.Kuwajima: "Diastereoselective Introduction of Carbon Chain to Pyrrolidone Derivatives" SynLett. NO.8. 751-752 (1996)
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[Publications] I.Kuwajima: "Total Synthesis of (±)-Taxusin" J.Am.Chem.Soc.118・NO.38. 9186-9187 (1996)
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[Publications] I.Kuwajima: "Highly Efficient Method for Coriolin Synthesis" Tetrahedron Lett. 38・NO.3. 465-468 (1997)
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[Publications] I.Kuwajima: "A New Synthetic Method for Cvclic Allenes and Acetylenes.Cleavage of a C-C Bond.Directed by a Silyl Group" SynLett. (in press).