1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07558099
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Section | 試験 |
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中西 守 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 博康 浜松ホトニクス, 研究員
古野 忠秀 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (80254308)
南後 守 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (90109893)
水口 純一郎 東京医科大学, 教授 (20150188)
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Keywords | 遺伝子導入 / 正電荷コレステロール / リポソーム / アンチロンスDNA / プラスミド / 共焦点レーザ顕微鏡 / ゼータ電位 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
遺伝子治療は遺伝病の根元的治療法になるだけでなく、癌やエイズの治療にも有効であると期待されている。しかし、遺伝子治療の臨床応用での成功例はあるものの、その基盤となる基礎研究は著しく立ち遅れており、多くの解決しなければならない問題をかかえている。その一つは安全性が高くて、効率のよい外来遺伝子の細胞内導入法の確立である。そこで、本研究では正電荷コレステロールを素材とした正電荷リポソームによる外来遺伝子の細胞内導入技術の開発を行うとともに、細胞内に導入した外来遺伝子の動態を解析する技術を開発し、遺伝子治療の基盤技術の確立を企てた。具体的には、末端に三級アミンを持ったスペ-サの長さの異なった8種類の正電荷コレステロール誘導体を合成し、それを素材とした正電荷リポソームを作製し、プラスミド遺伝子(CAT遺伝子)の培養細胞への導入を行った。遺伝子導入の効率はクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ活性(CAT活性)により測定した。その結果、遺伝子導入効率の著しく高い誘導体を開発するとともに、正電荷リポソームのゼータ電位と遺伝子導入の効率との間には密接な相関関係があることを見いだした。そこで次に、共焦点レーザ顕微鏡を用いて細胞内に導入した外来遺伝子の細胞内動態を解明することを企てた。実験には、共焦点レーザ顕微鏡を用いて蛍光標識したアンチセンスDNAの細胞内ならびに核内の動態を追究した。そして、外来遺伝子はエンドサイトーシスデで細胞内に導入されることを明らかにした。また、細胞内に導入した外来遺伝子はエンドソーム内でキャリアーのリポソームから解離し,核内へ選択的に移行することを示した。これらの実験結果は、遺伝子治療の今後の研究に対してたいへん有益な情報を提供するものと考えられた。
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[Publications] K. Takeuchi: "Effect of zeta potential of cationic liposomes containing cationic cholesterol derivatives on gene transfection." FEBS Lett.397. 207-209 (1996)
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[Publications] T. Furuno: "Surface expression of CD63 antigen (AD1 antigen) in P815 cells by transfected IgE receptors." Biochem. Biophys. Res. Commun.219. 740-744 (1996)
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[Publications] T. Okabe: "Confocal fluorescence microscopy for antibodies against a hightly conserved sequence in SH2 domains." Biochem. Biophys. Res. Commun.223. 245-249 (1996)
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[Publications] C. Torigoe: "Quantitative and realtime correlation between receptor aggregation and intracellular calcium signal transduction" Immunol. Lett.49. 169-174 (1996)
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[Publications] M. Sumida: "Accumulation of photoporphyrinogen IX induced by acifluorfen methyl." Verlag Zeit. Naturforshung. 174-178 (1996)
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[Publications] N. Ohyama: "Crossbridge rigidity effects differently on mIgM and IgE receptor-mediated calcium signals." Bioimages. 4. 191-192 (1996)
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[Publications] 中西 守: "実験医学別冊" 羊土社, 202 (1996)
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[Publications] 中西 守: "新タンパク質応用工学" フジ・テクノシステム, 950 (1996)