1996 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロン標識化合物と3次元PETの神経科学への応用
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07558107
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷内 一彦 東北大学, 医学部, 助教授 (50192787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 啓司 富士写真フィルム, 企画リーダー
岩田 錬 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 助教授 (60143038)
石井 慶造 東北大学, 工学部, 教授 (00134065)
伊東 正敏 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 教授 (00125501)
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Keywords | 高次脳機能 / PET / ノックアウトマウス / ヒスタミン / ヒスタミンH-1受容体 / アルツハイマー病 / 抗ヒスタミン薬 |
Research Abstract |
東北大学において、分担研究者の石井慶造が日本で初めて開発した3次元データ収集PETカメラは、対向する2個の検出器で3次元方向すべてに由来する消滅γ線を検出し、東北大学大型計算機センターのスーパーコンピューターにて画像再構成するシステムで世界中から注目を集めている。本研究では東北大学独自の3次元PETを使い、ヒト脳の神経伝達を非浸襲的に画像化することをおこなった。またポジトロン放出核種で標識された化合物は短半減期(11C;20.38分、18F;109.8分)という欠点はあるものの、長半減期である核種(3H、14C)で標識された化合物と併用することによって同一サンプルにて異なるものを同時に測定することが可能である。我々はこのような応用として多重標識マクロ受容体オートラジオグラフィーを開発し、世界で初めて同一切片にて2種類の受容体を画像化した。また疾患への応用では、アルツハイマー病を中心におこなった。ヒスタミンH1受容体はアルツハイマー病中等度進行例においては年齢・性の一致した対照より有意に大脳皮質全体において減少したのに、局所脳糖代謝率は連合野において減少するが一次感覚野や一次運動野においてはかなり保たれていた。しかしアルツハイマー初期においてはH1受容体が減少する症例と変化しない症例があることが明らかになり、さらにそのメカニズムの解明をおこなっている。3次元PETを用いた研究では脳賦活試験法を用いた頻回の刺激試験をおこない抗ヒスタミン薬による眠気の作用点の解明をおこなった。さらにリガンド賦活法によるヒト脳でのヒスタミン遊離測定法についての開発研究をおこなった。このような基礎開発研究から3次元PETの優れた有用性を明確にすることができた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 谷内一彦: "ポジトロン標識リガンドを用いたヒト神経伝達の画像化" 日本薬理学会雑誌. (印刷中). (1997)
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[Publications] 渡辺建彦 谷内一彦: "ヒスタミン受容体:第二世代H_1ブロッカーは、何故非鎮静性か?" 薬局. 48巻. 39-45 (1997)
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[Publications] 谷内一彦: "ヒト脳内ヒスタミンH_1受容体のPETによる解析" 医学のあゆみ. 180巻. 107-111 (1997)
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[Publications] 谷内一彦 ほか: "PETによる脳機能測定、インビボレセプターマッピング" ブレインサイエンス. 7巻. 155-164 (1996)
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[Publications] I. Inoue, K. Yanai et al: "Impaired locomotor activity and exploratory behavior in mice lacking histamine H_1 receptors" Proc. Natl. Acad. Sci. USA.93巻. 13316-13320 (1996)
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[Publications] K. Yanai, J. H. Ryu, et al: "Histamine H_1 receptor occupancy in human brains aftersingle oral doses of histamine H_1 antagonists measured by PET" Br. J. Pharmacol.116巻. 1649-1655 (1995)
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[Publications] 谷内一彦、渡辺建彦ほか: "神経伝達物質-受容体の分子機構と病態" メディカルレビュー社, (1996)