1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07558116
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Section | 試験 |
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 助教授 (90171058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若菜 茂晴 (財)実験動物中央研究所, DNA解析室, 研究員 (90192434)
米川 博通 (財)東京都臨床医学総合研究所, 実験動物研究室, 部長 (30142110)
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Keywords | マウス / コンソミック系統 / 連鎖解析 / 遺伝的多型 / マイクロサテライト / 戻し交配 |
Research Abstract |
二つのマウス系統が一つの染色体全域について異なった由来を持ち他の遺伝的背景が共通である場合、これらの二つの系統を互いにコンソミック(Consomic)な状態にあると言い、これらの系統は、コンソミック系統と呼ばれている。コンソミック系統の作成は、供与(ドナー)系統の特定の染色体に注目して計画的に染色体受容(レシ-ピエント)系統に戻し交配を繰り返して導入する。マウスは、合計21種類の異なった染色体(19本の常染色体+X、Y)を持っているからコンソミック系統1セットは、最低でも合計21のマウス系統で構成される。この21種類の系統によって供与系統の染色体は完全にカバーされている。供与系統と受容系統間で異なった表現型を示す遺伝形質について、この21種類の系統についてタイピングすれば瞬時に問題の形質を支配する染色体を特定することが可能である。コンソミック系統を作成する際には供与系統と受容系統間の遺伝的多型性が可能な限り大きいことが望ましい。そうすることでコンソミック系統を用いて解析できる遺伝形質の範囲が拡大されるる。また、コンソミック系統を基にした連鎖解析においてより詳細な遺伝子地図の作成も可能となる。この点を考慮して受容系統としては、標準的な近交的マウスであるC57BL/6を、供与系統としては日本産野生マウス系統由来の近交系マウスであるMSM系統を用いて新しいコンソミック系統の作成を昨年度から開始した。これまで、各染色体毎に最低5つのマイクロサテライト遺伝子座について各世代においてタイピングすることによってMSM系統の染色体をC57BL/6J系統の遺伝的背景に導入している。現在までのところ、多くの系統が戻し交配の第5世代まで到達している。さらに世代を進めて、コンソミック系統を完成する計画である。
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