1996 Fiscal Year Annual Research Report
高安全知能自動車用多値VLSIプロセッサに関する研究
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07558151
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀山 充隆 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (70124568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽生 貴弘 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (40192702)
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Keywords | 危険検出ルール / フローティングゲートMOSFET / 高安全自動車 / 多値CAM / 大小比較演算 / 多値しきい演算 / 多値記憶 |
Research Abstract |
本年度の研究ではまず、昨年に引き続き提案する高安全知能自動車に必要となる危険検出ルールの機能的仕様を取りまとめると共に、この処理に適する連想メモリ(CAM)の仕様化を行った。すなわち、数値データで与えられたルールを高速に評価するため、数値データ処理用超高速CAMの設計をターゲットとした。数値演算では「数値の大小比較演算」が基本となるため、これをできるだけ高速に実行できるCAMの構成することが重要となる。本研究では、この「数値の大小比較演算」をできるだけ高速に実行する、CAMに適する新しい演算アルゴリズムと、CAMの新しいハードウェア構成を検討した。アルゴリズムレベルでの高性能化として、本研究では「情報の多値符号化表現」を活用することにより、大小比較すべきデータの桁数を減少させた。また、各CAMセルでの大小比較結果を適宜取りまとめることにより、n桁の多値データに対する大小比較演算をnステップで実行させることに成功した。 ハードウェアレベルでの高性能として、本研究では多値CAMをできるだけコンパクトに実現することで単位面積当たりの演算能力を高める方法を検討した。まず、コンパクトなCAMセルを実現するためにCAMセル自体の演算機能をできるだけ簡易なものにすることを考察した。具体的には、CAMセルアレー外部で共通に入力信号の変換を行うことにより、CAMセル内部では「単純なしきい演算機能」と「多値記憶機能」のみを実現すればよいことを見出した。さらに、フローティングゲートMOSトランジスタを活用することにより、CAMセルがこのトランジスタ1個のみで実現できることを明らかにした。この結果、提案する多値CAMでは同等機能のCAMと比較して、チップ面積を14%に、演算速度を5倍以上高速化できることが示された。なお、上記の研究成果は、最先端集積回路研究で権威のある学術論文誌IEEE Journal of Solid-State Circuits (1996年11月)に掲載されるなど、国内外の関連分野の研究者から高く評価された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 張山 昌論: "読出し専用型連想メモリに基づく高安全自動車用衝突チェックVLSIプロセッサ" 電子情報通信学会論文誌. J79-C-II. 698-705 (1996)
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[Publications] T. Hanyu: "Design of a One-Transistor-Cell Multiple-Valued CAM" IEEE Journal of Solid-State Circuits. 31. 1669-1674 (1996)
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[Publications] T. Hanyu: "Low-Power Multiple-Valued Current-Mode Integrated Circuit with Current-Source Control and Its Application" Proc. ASP-DAC'97. 413-418 (1997)
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[Publications] T. Hanyu: "2-Transistor-Cell 4-Valued Universal-Literal CAM for a Cellular Logic Image Processor" ISSCC Digest of Technical Papers. 46-47 (1997)