1996 Fiscal Year Annual Research Report
中性子捕捉療法時の照射線量分布同時測定のためのSPECT用検出器に関する基礎研究
Project/Area Number |
07558186
|
Section | 試験 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古林 徹 京都大学, 原子炉実験所, 講師 (90089136)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野塚 新 (株)ジャパンエナジー, 研究開発本部, 技術長
吉谷 正夫 東洋メディック(株), 技術研究所, 所長
櫻井 良憲 京都大学, 原子炉実験所, 教務員 (20273534)
小野 光一 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20027452)
|
Keywords | 中性子捕捉療法 / 同時吸収線量測定 / SPECT / 即発γ線測定法 / CdTe半導体検出器 / 半導体検出器 |
Research Abstract |
本研究目的は、中性子捕捉療法時における生体内照射線量分布同時測定法として有力な方法の一つである、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)測定装置の実用化を目指すものである。中でも重要な課題である、検出素子の小型化、並びに、半導体検出器に特有であった液体窒素による冷却を必要としない等のメンテナンス性の向上に関するものを対象にしている。平成7年度には、小型化をする上で有効なCdTe半導体検出器に、検出器の研究対象を絞り込んだ。今年度はCdTe半導体検出器の常温での特性に加えて、ペルチエ素子による簡便な冷却による性能向上に関して、以下の実験による確認と計算評価によってその有効性について検討した。(1)平成8年3月に改造が終了した京大原子炉の医療照射場を用いて、ホウ素を含む生体等からの即発γ線エネルギースペクトルを、汎用のゲルマニウム半導体検出器とペルチエ素子による簡便な冷却をしたCdTe半導体検出器で測定した。冷却したCdTe半導体検出器により500keV以下のエネルギースペクトルが、従来よりエネルギー分解能が良い状態で測定でき、ホウ素からの即発γ線を測定できる見通しを得た。測定素子の体積を大きくする等の性能の向上が期待できることから、もう一段の改良が必要であるが、本研究目的の測定システムの実用化に応用できる見通しを得た。なお、現状のものでは、エネルギー分解能はゲルマニウム半導体検出器の方が優れている。(2)この測定結果に対応して、モンテカルロコード(MCNP)や二次元輸送計算コード(DOT3.5)等を用い、CdTe半導体検出器に対する中性子とγ線遮蔽性能について、最適化検討のシミュレーション計算を行った.なお、平成7年度に購入した^6LiFをポリエチレン等の中に約30重量%混入させたシート状の使いやすい形に加工し、実験において効果的な熱中性子遮蔽に使用した。
|