1996 Fiscal Year Annual Research Report
半導体検出器を用いた水中の温室効果気体分析装置の試作研究
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07558197
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 啓一 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (80022250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 郁彦 センサーテック株式会社, 開発主任研究官
寺井 久慈 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (10023855)
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Keywords | 気体分析装置 / 半導体検出器 / 温室効果ガス / 野外試験 |
Research Abstract |
(1)野外における試作分析装置の性能試験 試作装置を、木崎湖と三河湾の実験所に携行し、淡水および海水中の還元気体に対する性能試験を実施した。試験は、ボトルを用いたヘッドスペース法およびトラップ法の各々によって行った。両方法において、試作装置は、水素、一酸化炭素、およびメタンを分離するために必要な分離能を示すとともに、これら気体の水中の現場濃度を各深度において定量するに十分な検出能を示した。しかし、硫化水素に対しては、上記3種類の気体に比べると感度が低く、高濃度の硫化水素を含む低層水の分析には有効であったが、濃度の低い表層水の分析は困難であることが明らかになった。また、現場濃度の亜酸化窒素の分析には、感度の点から、本装置は実用的でないことが示された。 (2)性能試験結果に基づく機械調整 野外試験においては、気体分離のためのモレキュラーシ-ブプロットカラムを使用した。本カラムは水素、一酸化炭素、メタンを相互に分離する上で作用する上で良好な分離能を示したが、衝撃に弱いことがわかった。そこでプロットカラムの使用を止め、モレキュラーシ-ブと活性炭を充填した充填カラムに替えることとした。この充填カラムは、水素に対して若干のテーリングを与えるが、実用上差し支えないものであった。当初、検出感度がドリフトすることを予想したが、ドリフトは見いだされなかったことから、検出感度は安定しているものと判断された。また調整センサーの性能も安定していたことから、長期の観測が調整なしに実施できることが示され、本装置に新たな特徴を与えた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ohta,K.: "Photochemical degradation of dissolved organic matter to CO in coastal seawater." TERRAPUB. (in press). (1997)
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[Publications] Terai,H.: "Fluxes of radiatively active gases and microbial processes in Kushiro Wetland." Proc.7th IMCG Field Symp.(Japan).(in press). (1997)