1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07558222
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
遠藤 斗志也 名古屋大学, 理学部, 教授 (70152014)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 周一 名古屋大学, 理学部, 助手 (10252222)
中井 正人 名古屋大学, 理学部, 助手 (90222158)
|
Keywords | プレ配列 / 封入体 / ミトコンドリア / 両親媒性 |
Research Abstract |
(1)両親媒性ペプチドは高次構造がほどけたタンパク質の凝集を引き起こす ミトコンドリアタンパク質は,アミノ末端にミトコンドリア行きのシグナルが書き込まれた余分なアミノ酸配列(プレ配列)が付加された前駆体のかたちで合成される。このプレ配列に対応する合成ペプチドと、高次構造がほどけた状態のタンパク質(還元カルボキシメチル化ラクトアルブミン等)をインキュベートすると、大きな凝集体が速やかに形成されることを,濁度の上昇を観察することにより見いだした。濁度の上昇の塩濃度依存性から,この凝集には静電的相互作用が重要であることを明らかにした。一連のプレ配列ペプチド誘導体を用いた実験から,高次構造がほどけたタンパク質の凝集を引き起こす性質は,ペプチドの両親媒性と良い相関を示すことを発見した。 (2)封入体形成を促す両親媒性ペプチドのデザイン 封入体を作りにくい酸性タンパク質として酵母ミトコンドリアのhsp60を選び,そのアミノ末端側に様々なペプチドをつないだ融合タンパク質を,遺伝子レベルで構築することを計画した。ペプチドとしては,天然のhsp60のプレ配列,COXIV(シトクロム還元酵素サブユニットIV)のプレ配列,このプレ配列よりも大きな両親媒性を示す人為的なプレ配列(SynA2,SynC),小さな両親媒性を示す人為的なプレ配列(SynA1,SynB2)を選んだ。現在,これらの融合遺伝子の作製を終え,その塩基配列を確認したところである。今後,各融合タンパク質について,T7ファージのプロモーターとRNAポリメラーゼを用いる系(pETベクターの系)を利用して大腸菌内で発現させ,細胞内での封入体形成能を指標として,最適ペプチドを選別する予定である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Endo,T.et al.: "Mitochondrial presequences can induce aggregation of unfolded proteins." FEBS Lett.359. 93-96 (1995)
-
[Publications] "Binding of mitochondrial presequences to yeast cytosolic heat shock protein 70depends on the amphiphilicity of the presequence." J.Biol.Chem.271. 4161-4167 (1996)