1996 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子エンジン素過程の高速顕微画像解析システムの開発
Project/Area Number |
07558227
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Section | 試験 |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石渡 信一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10130866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 博康 浜松ホトニクス(株)筑波研究所, 研究員
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Keywords | 生体分子モーター / 顕微画像解析 / レーザー光ピンセット / アクトミオシン分子モーター / 硬直結合 / 高速顕微画像解析システム / 温度パルス顕微鏡 |
Research Abstract |
(1)浜松ホトニクス(株)による高速カメラの開発が進み、市販品として供給され始めた(製品名:ARGUS/HiSCA)。この高速カメラ、画像解析装置を用いて、アクトミオシン分子モーターの力学・熱力学一分子特性や、筋原線維の収縮・振動のダイナミックスに関する研究を進めた。 (2)一方、温度パルス顕微鏡を開発した。これは、顕微鏡試料面上にある金属粉(経済的な理由で専らアルミを用いているが、金やプラチナでも全く同様の結果が得られる)に赤外レーザー光を照射し、この金属粉を熱源として温度勾配(10μm当たり10℃位)を形成することの出来る方法である。レーザー光をパルス的に照射することによって、ビデオレート(1/30秒)以内で温度を上下することができる。試料面での温度の計測は、アクチンフィラメントに結合したrhodamine-phalloidinの蛍光強度が温度とともに減少する性質(熱消光)を画像化することによって行った。 (3)高速カメラを用いて、温度パルス顕微鏡における温度上昇の時間経過を今まで以上に高時間分解(1/30秒から1/500秒)で捉えることが出来た。 (4)単一筋原線維の、caged ATPによる張力発生の初期過程を、高速カメラによって定量化することができた。硬直状態から収縮状態に至る力発生の時間経過を室温と低温で比較検討したところ、低温では一過的に張力が減少する(弛緩する)相が確認された。 (5)今後は、この高速カメラを用いて、モーター一分子とアクチンフィラメントとの間の結合、解離過程を捉え、それに対する温度パルスの影響を探る。また、単一筋原線維系への応用も進めたい。
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[Publications] Fujita,H.: "Structeral and furetional reamstitetion of thin filaments in the contrastile apparatns of cardiac muscle." Biophys.J.71. 2307-2318 (1996)
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[Publications] Fujisaki,H.: "Soft-X-ray danage to bilologike samplis." J.Microscopy. 182. 79-84 (1996)