1996 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞における挿入変異形成による新規遺伝子の有効なる系統的単離法の確立
Project/Area Number |
07558230
|
Section | 試験 |
Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
野田 哲生 財団法人癌研究會, 癌研究所・細胞生物部, 部長 (10183550)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝 清隆 財団法人癌研究會, 癌研究所・細胞生物部, 主任研究員 (40196415)
美野輪 治 財団法人癌研究會, 癌研究所・細胞生物部, 研究員 (00181967)
|
Keywords | ES細胞 / ジーントラップベクター / レトロウイルスベクター / 5'RACE法 / 変異マウス / Cre組換え酵素 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ジーントラップ型レトロウイルスベクターをES細胞に感染させ、多数のトラップされた遺伝子を単離して塩基配列を決定することにより、このシステムのランダムネスをチェックし、さらにそれらのES細胞より得られるキメラ胚における各遺伝子の発現様式に着目してESクローンを選択し、このES細胞から変異マウスを作成してその遺伝子機能を解析することである。我々は、本年度までに約400クローンのG418耐性ESクローンを単離し、その中の約2割(〜50クローン)について、5'RACE法を用いてcDNAを単離し、トラップされた遺伝子の塩基配列の解析を行った。その結果、その約2割が既知の遺伝子であった。ただし、5'RACE法により得られる遺伝子断片はいずれも短く、残りの8割に関しては、未知の遺伝子であるか否かの断定は出来なかった。いずれにしても、これらのクローンはいずれもユニークな配列を示し、ジーントラップのランダムネスが証明された。さらに我々は、これらのESクローンのうち約20種のクローンよりキメラマウスを作成し、各遺伝子の発現パターンを解析した。現在のところ、その中の11クローンで変異マウスが樹立されている。これらのうち、5系統の変異マウスはそのホモ接合体が胎児性致死であることが判明しており、このことはジーントラップによる変異マウス樹立が、未知の遺伝子の単離とその機能解析にとって極めて有効な手法であることを証明した。この研究課題において我々が作成、使用したジーントラップベクター内には1対のLoxP配列が挿入されており、Cre組み換え酵素の発現によりジーントラップが解消されるよう設計されている。現在我々は上記の変異ESクローンに、Cre遺伝子を持つアデノウイルスを感染させることにより、ジーントラップが解消されるか否かを解析中である。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Matsumoto,M.,Noda,T.,et al.: "Ataxia and epileptic seizure in mice lacking type 1 inositol 1,4,5-trisphophate receptor." Nature. 379. 168-171 (1996)
-
[Publications] Sakaguchi,S.Noda,T.,et al.: "Loss of cerebellar Purkinje cells in aged mice homozygous for a disrupted PrP gene." Nature. 380. 528-531 (1996)
-
[Publications] Takeshima,H.,Noda,T.,et al.: "Generation and characterization of mutant mice lacking ryanodine receptor type 3." J.Biol.Chem.271. 19649-19652 (1996)
-
[Publications] Nagata,A.,Noda,T.,et al.: "G protein-coupled cholecystokinin-B/gastrin receptors are responsible for physiological cell growth of the stomach mucosa in vivo." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 93. 11825-11830 (1996)
-
[Publications] Nishi,M.,Noda,T.,et al.: "Unrestrained nociceptive response and disregulation of hearing ability in mice lacking noniceptin/orphaninFQ receptor." EMBOJ.(in press.). (1997)
-
[Publications] Suzuki,H.,Noda,T.,et al.: "A role for macrophage scavenger receptors in atherosclerosis and susceptibility to infection." Nature.(in press.). (1997)
-
[Publications] Shiba,K.,Noda,T.,et al.: "Creation of libraries with long open reading frames by polymerization of a microgene." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (in press). (1997)
-
[Publications] Niki,M.,Noda,T.,et al.: "Hematopoiesis in the fetal liver is impaired by targeted mutagenesis of a gene encoding a non-DNA binding subunit of the transcription factor,PEBP2/CBP." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (in press.). (1997)