1995 Fiscal Year Annual Research Report
免疫担当細胞の特異的機能制御機構を備えた体外免疫療法システムの開発研究
Project/Area Number |
07558244
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村林 俊 北海道大学, 工学部, 助教授 (30200306)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 恒夫 北海道赤十字血液センター, 研究部, 研究部長
松下 通明 北海道大学, 医学部, 講師 (20250425)
|
Keywords | 免疫調節材料 / 体外免疫療法 / 免疫賦活物質 / リンパ球活性化 / 合成多糖 / ボロン酸 |
Research Abstract |
本研究は、新たな免疫活性材料の開発を基に、副作用がなく且つ効果的な体外免疫調節システムの開発を行うことを目的としている。平成7年度では、免疫調節材料の開発に関し、1.免疫賦活物質の固定化法の検討、2.新規多糖の合成、3.ボロン酸を有する高分子材料の合成を行った。それぞれの概要について以下に述べる。 1.エチレン-ビニルアルコール共重合体およびポリビニルアルコールを平均直径250μmのガラスビーズに被覆し、固定化基質として用いた。IL-2免疫賦活物質のモデル試薬として、グラタールアルデヒド法、ビスオキシラン法、エピクロロヒドリン法等の固定化法を比較検討した。固定化IL-2の力価は、IL-2依存性マウスクローン細胞株CTLL-2によるバイオアッセイにより評価した。その結果、ビスオキシラン法およびエピクロロヒドリン法は共に効率よくIL-2の固定化が可能であることが判った。しかし、ビスオキシラン法ではエチレンの含有量が高いほど、一方エピクロロヒドリン法では水酸基の含有量の増加とともにIL-2の力価が高まることが明らかとなった。 2.テトラヒドロフラン環を基本構造として、各種の官能基を有する多糖を新規に合成した。マウスリンパ球に及ぼす影響を調べたところ、硫酸基を有する多糖において顕著な増殖効果が見られ、特にCD4-CD8-の分画に作用していることが明きらかとなった。また、マウスマクロファージをも活性化し、NO産生を促し、またLPSとの共存でLPSの作用を強める加成効果が見られた。 3.ボロン酸-アクリル酸共重合体を新規に合成し、マウスリンパ球への作用を調べたところ、顕著に増殖させることが判った。その作用はボロン酸の含有量に依存し、含有量50%において最も大きく、ConAによる増殖の60%程度という非常に高い増殖活性を示すことが明きらかとなった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Toyoji Kakuchi: "Lymphocyte activation effect of (1→6)-2,5-anhydro-D-glucitol and it derivatives with 3,4-di-O-methyl and sulfate groups." Int.J.of Biol.Macromolecules. (in press). (1966)
-
[Publications] 西出拓司: "血中糖化LDLの除去を目的とした吸着材の開発" 人工臓器. (in press). (1966)