1996 Fiscal Year Annual Research Report
トロンボモジュリン固定化法を用いた血液凝固抑制能を有する医用材料の開発
Project/Area Number |
07558258
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Section | 試験 |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岸田 晶夫 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60224929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 修司 旭化成工業株式会社, ライフサイエンス総合研究所・天然物化学研究所, 所長
丸山 征郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20082282)
明石 満 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20145460)
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Keywords | トロンボモジュリン / 抗血栓性 / 医用材料 / 固定化 |
Research Abstract |
本研究の目的はトロンボモジュリンの特性を活かし、これを材料表面に固定化した血液凝固阻止材料を開発することである。具体的には、トロンボモジュリンを現在血液接触用材料として使用されている素材、例えば体外循環用脱血チューブの素材であるポリ塩化ビニルやポリウレタンおよびセルロース等に固定化し、血液凝固抑制能を測定してその有用性を確認する。本年度の成果は以下に示すとおりである。 (1)トロンボモジュリンの新規固定化法の検討:複雑な形状の人工臓器表面に固定化するための新しい固定化法について検討した。具体的には、トロンボモジュリンを有機溶媒可溶に改質し、材料表面へのコーティングを可能にした。反応時間を調整することにより、アルコールに可溶で界面活性剤による洗浄によっても脱離しにくい修飾トロンボモジュリンの合成に成功した。 (2)チューブの作成:疎水化トロンボモジュリンを用いてシート状およびチューブ場に加工した素材への固定化を行った。これらは次項のex vivo実験に使用した。 (3)従来の抗血栓性材料との比較:セグメント化ポリウレタンやヘパリンを固定化した抗血栓性材料との機能の比較を行った。トロンボモジュリン固定化材料はヘパリン固定化材料より優れた抗血栓性を示した。また、補体系を不活性化する効果も観察された。後者については確認中である。
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Research Products
(1 results)