1995 Fiscal Year Annual Research Report
バイオアッセイによる有害化学物質のモニタリングシステムの開発研究
Project/Area Number |
07558289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
青山 勲 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (10026239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 秀雄 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (90253020)
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Keywords | 有害化学物質 / バイオアッセイ / モニタリング / 微生物 / 相互作用 |
Research Abstract |
本年度は次の2つの課題について検討した。 (1)ミニアチュアライズド試験法 従来から有害化学物質の毒性試験には、植物プランクトンや魚、ミジンコ等が用いられてきた。微生物を用いた試験法は簡便性、経済性、迅速性に優れている。例えば植物プランクトンを用いる試験法でもエーレンマイヤーフラスコやL字型試験管等を用いる振当とう培養を用いる試験では、100〜200という多数の検体を扱う場合には、相当広い実験室や実験施設を必要とする。そこでマイクロプレートを用いて、数百μLの少量の試料を用い、また短時間で毒性試験を行う方法の開発を試みた。この試験には自動微生物培養装置を使用することによって、同時に200検体を扱うことができ、しかも微生物の増殖曲線を連続的に追跡できる。微生物として酵母を用いることによって、光や炭酸ガスの制御なく、温度調節のみで十分有害化学物質の毒性モニタリングに使用可能であることがわかった。また植物プランクトンを供試生物に用いた場合、光と炭酸ガスが培養に不可欠であるが、短時間の試験では、本システムが利用できる。 (2)化学物質の毒性相互作用様式の評価法 自然の環境下では、化学物質が単独に生物に作用することは極めて希なことであり、多くの場合、複数の化学物質が同時に作用する。この場合、複数毒性作用としては拮抗作用、相加作用、相乗作用の3つの作用様式が考えられる。種々の化学物質について、2〜3種の化学物質の組合せを用いて毒性試験を行った。その結果を確率的手法、統計的手法及び等効果線法など種々の数学的手法を用いて解析することを試みた。それぞれの手法は解析の考え方相互作用の考え方が異なり、一長一短のあることがわかった。いずれにせよ問題の本質から考えると化学物質の用量-反応曲線をベースに考えることの重要性が明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Aoyama, I.: "A sequential manometric technique for assessing the toxicity of chemical mixtures." Environmental Toxicology and Water Quality. 10(2). 151-156 (1995)
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[Publications] Aoyama, I.: "Microbial transformation of metolachlor." Environmental Toxicology and Water Quality. 10(4). 249-258 (1995)
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[Publications] 青山 勲: "生態影響評価のためのバイオアッセイ" 日本水環境学会セミナー「バイオアッセイと環境化学物質の安全評価」講演集. 80-91 (1995)
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[Publications] 岡村秀雄: "児島湖周辺の水環境の生態毒性スクリーニング" 環境技術. 24(4). 196-202 (1995)