1996 Fiscal Year Annual Research Report
バイオアッセイによる有害化学物質のモニタリングシステムの開発研究
Project/Area Number |
07558289
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Section | 試験 |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
青山 勲 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (10026239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羅 栄 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (10284093)
岡村 秀雄 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (90253020)
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Keywords | 有害化学物質 / バイオアッセイ / モニタリング / ミジンコ / 微生物 / 相互作用 |
Research Abstract |
本年度は有害化学物質のオンライン・モニタリングの課題について検討した。 OECDでは化学物質を管理することを目的として、化学物質の安全性に関する試験や評価手法の開発を行ってきた。その中に生態毒性に関するさまざまな手法がガイドラインとして提起されている。その一つとして、甲殻類のミジンコの24時間の生存率と2週間以上の繁殖試験は生態毒性の評価方法としてよく利用される方法である。現行のガイドラインでは暴露期間は24時間であるが、外国では48時間が一般的である。24時間或は48時間の遊泳阻害は正常な遊泳を阻害されたというより、遊泳できないか、あるいは動かない状態、つまり死亡に近い状態として定義されているようであるが、被験物質と人の目によっては判定が困難な場合もあるといった問題が指摘されている。水圏環境における有害化学物質の存在をより迅速に検出するモニタリングシステムを開発することを目的として、有害化学物質によるミジンコの運動量の変化に着目し、有害化学物質添加後のミジンコの運動量変化を経時的に観測することにより、有害化学物質のモニタリングシステムの利用方法の開発を試みた。このシステムは二次元動画像解析システムを使用することによって、3時間で、有害化学物質による毒性を検出できた。低濃度の有害化学物質で処理した場合はミジンコの運動量は増加した現象が認められた。この増加した運動量は新たな毒性指標として、水圏環境における有害化学物質の毒性モニタリングに使用可能であることがわかった。また、24時間或は48時間の遊泳阻害試験より、短時間で有害化学物質の毒性を検出することができた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Aoyama,I.: "Assessment of cyanazine persistence in water." Environment Toxicology and Water Quality. 11(1). 27-36 (1996)
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[Publications] Aoyama,I.: "Enhancement of toxicant release from sediment by sonication and sodium ligninsulfonate." Environment Toxicology and Water Quality. 11(3). 195-203 (1996)
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[Publications] Okamura,H.,Luo,R.and Aoyama,I.: "Ecotoxicity Assessment of Aquatic Environment around Lake Kojima,Japan" Environment Toxicology and Water Quality. 11(3). 213-221 (1996)
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[Publications] 青山 勲 羅 栄 岡村秀雄: "ミジンコの運動量解析による有害化学物質のモニタリング" 環境技術. 26(4) (発表予定). (1997)
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[Publications] 青山 勲: "酸性雨の生態系に及ぼす影響(平成5年度両備 園記念財団研究助成金による研究報告)" 生物学に関する試験研究論叢. 10. 73-81 (1995)
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[Publications] Aoyama,I.: "Micro-bial transformation of the new antifouling compound irgarol 1051" NWRI Contribution. 96-171 (1996)
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[Publications] 青山 勲: "廃棄物と資源・リサイクル-地球環境科学入門" 岡山ユネスコ協会, 15 (1995)
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[Publications] 青山 勲: "酵母を用いた化学物質のDNA損傷性試験-突然変異体であるDNA修復機能欠損株による変異原性試験とその評価法" 環境微生物工学研究法。技法堂, 4 (1993)