1995 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類胎仔生殖細胞の操作による遺伝子導入技術の開発研究
Project/Area Number |
07558290
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
中辻 憲夫 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 教授 (80237312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 淳郎 国立予防衛生研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (20194524)
白吉 安昭 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 助手 (90249946)
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Keywords | 胎仔生殖細胞 / 遺伝子導入 / アポトーシス / 細胞増殖 / 体外受精 / 精子細胞 / 顕微注入 / 細胞融合 |
Research Abstract |
これまでに、移動期の始原生殖細胞を体外で培養して増殖させるための培養方法を改良して、ほぼ胎仔内と同程度の増殖を行なわせることに成功した。また、生殖巣に到着後の生殖細胞を培養下で生存維持させる方法についても、細胞内cAMPレベルを上昇させるフォルスコリンなどを用いることによって大幅な改良に成功した。これらと平行して、培養中の生殖細胞への遺伝子導入も開始しており、一過性発現を生殖細胞の10〜20%という高率で確認するところまで導入方法を改善した。この方法を用いて、これまでに細胞を不死化させるがん遺伝子であるSV40T遺伝子や、細胞のアポトーシスを抑制することが知られているBcl-2、Bcl-XL、Ad2E1B19kDaなどの遺伝子を導入したが、これらのうちBcl-XLとAd2E1B19kDaについて培養下での胎仔生殖細胞の死滅を抑制する効果がみられることを発見した。また生殖巣原基中で雌雄分化を始めた生殖細胞については、これまで培養下で生存させることが困難であったが、胎仔生殖巣由来の体細胞株を樹立することに成功して、共培養などの効果を検討した。一方、培養操作を加えた生殖細胞からの動物個体の再構築については、減数分裂直後の円形精子細胞と卵子を融合させることによって仔マウスを作出することに成功したが、使用する精子細胞の発生段階や顕微操作方法について詳細な検討を行って、顕微注入などの方法改良により、その効率を大幅に向上させることに成功した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Koshimizu,U.,Watanabe,M. and Nakatsuji,N.: "Retinoic acid is a potent growth activator of mouse primordial germ cells in vitro." Devel.Biol.168. 683-685 (1995)
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[Publications] Ohkubo,Y.,Shirayoshi,Y.and Nakatsuji,N.: "Autonomous regulation of proliferation and growth arrest in mouse primordial germ cells studied by mixed and clonal cultures." Exp.Cell Res.222. 291-297 (1996)
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[Publications] Koshimizu,U.他: "Functional requirement of gp130-mediated signaling for growth and survival of mouse primordial germ cells in vitro and derivation of embryonic germ(EG)cells." Development. 6(in press). (1996)
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[Publications] Kawase,E.,Shirayoshi,Y.,Hashimoto,K.and Nakatsuji,N.: "A combination of buffalo rat liver cell-conditioned medium,forskolin and membrane-boundstem cell factor stimulates rapid proliferation of mouse primordial germ cells in vitro similar to that in vivo." Devel.Growth Differ.(in press). (1996)