1995 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質工学的手法を活用した迅速な蛋白質結晶構造解析の新手法
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07559006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
三井 幸雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40012637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石野 良純 (株)宝酒造, バイオ研究所, 主任研究員
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Keywords | 蛋白質工学 / 蛋白工学 / X線解析 / 結晶構造解析 / 蛋白質の立体構造 / セレノメチオニン |
Research Abstract |
平成7年度は、主にBphC酵素のセレノメチオニン蛋白質についての解析を行った。既に得ているセレノメチオニンBphCの結晶からの回折データを用いて、(1)セレノメチオニンBphCとNativeのBphCのデータ用いて計算された差のパタ-ソン図の検討、(2)重原子同型置換体として使用したときの、重原子位置の精密化についての検討、(3)セレノメチオニン蛋白質結晶から得た回折データを用いての位相決定の可能性、(4)電子密度改良プログラムの使用法の3点に関して検討を行った。この結果、(1)セレンの位置さえわかれば、従来の方法でその位置を精密化可能なこと、(2)電子密度改良プログラムを適切に用いれば、セレノメチオニン蛋白質のみのデータでもかなり良質な電子密度が得られることがわかった。また、電子密度改良プログラムに関しては、電子密度図を改良する前の初期位相の質にその結果が大きく左右されることがわかった。特に、位相に関する誤差の見積もりが重要であることがわかった。 セレノメチオニン蛋白質を用いた構造解析については、ほぼ計画通りの成果を上げることができた。既に述べたとおり、セレン含有蛋白質のみで、解析を行いうる可能性が十分に示された。しかしながら、セレノメチオニン蛋白質を用いて計算した差のパタ-ソン図は、ノイズが多く解釈が困難であった。この点を改善するため、現在、直接法を用いた重原子位置の決定、及び低温技術を用いた回折強度データの質の向上を検討している。 セレノシステイン蛋白質に関しては、システイン要求性株を用いて発現を試みたが、いまだ発現を確認できていない。現在、培養方法の検討などを引き続き行っている最中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kohno,T.,Senda,T.,Mitsui,Y. et al.: "Three-dimensional structure of abrin-a A-chain having ribosome inactivating activity." Proc. Japan Acad.71B. 104-107 (1995)
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[Publications] Senda,T.,Saitoh,S.& Mitsui,Y. et al.: "Refined crystal structure of recombinant murine interferon-beta at 2.15 A resolution." J. Mol. Biol.253. 187-207 (1995)
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[Publications] Senda,T.,Mitsui,Y.,Roberts,R.M. et al.: "A three-dimensional model of bovine interferon-tau." J. Interferon & Cytokine Res.15. 1053-1060 (1995)
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[Publications] Senda,T.,Sugiyama,K.,Mitsui,Y. et al.: "Three-dimensional structures of an extradiol ring-cleavage type dioxygenase, the Bph C enzyme from Pseudomonas." J. Mol. Biol.255. 735-752 (1996)
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[Publications] Kurihara,J.,Mitsui,Y.,Nakamura,K.T. et al.: "The crystal structure of ribonuclease from Rhizopus niveus at 2.0 A resolution." J. Mol. Biol.255. 310-320 (1996)
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[Publications] Tanaka,N.,Nonaka,T.,Mitsui,Y. et al.: "Crystal structure of the ternary complex of mouse lung carbonyl reductase at 1.8 A resolution." Structure. 4. 33-45 (1996)