1996 Fiscal Year Annual Research Report
プラトン哲学における「対話篇」構造の意図するものとその必然性の解明
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07610004
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
内山 勝利 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80098102)
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Keywords | プラトン / ソクラテス / エレンコス(吟味論駁) / 対話 / 想起 / ドクサ(思いなし) |
Research Abstract |
所期の課題に関わる最近の研究は、欧米を中心として、予期した以上に盛んになされていることに、改めて気づかされ、初年度においては、それらを可能な限りにおいて広範にフォローし、国際的な研究状況を把握することに努めた。同時に、プルタルコス、アルビノス、ヘルメイアスなどの古代ギリシア哲学者による「対話篇」についての受けとめ方、および近代におけるシュライエルマッハ-、ツェラ-らの見解の再評価からも学ぶ点が少なくなかった。問題は、一面において、懐疑主義的プラトン理解(たとえばPh.Merlan)やJ.Cramerらによる「書かれざる教説」の強調に対する対処とも連動し、これらについても一定の取り組みが必要となった。 この過程での成果を踏まえて、まず平成8年3月に古代哲学研究会において、「プラトンの対話篇構造の意味するもの」についての口頭発表を行い、そのさいの討論を通じて多くの更なる示唆を与えられた。『哲学研究』(京都哲学会刊)第562号に発表の論文は、こうした経過を経て纏められたものである。これについては、さらに続稿の執筆を現在継続中であり、「想起説」の導入を経てイデア論および後期のディアレクティケ-の発展に至る展望を試みつつある。またこの間に刊行された編著書『フィロソフィアの源流と伝統』においては、ソフィスト思想およびプラトンを扱った2つの章の執筆をも担当し、特にプラトンについて新視点の導入を図るなど、所掲課題の遂行との関連においても得るところが多かった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 内山勝利: "ホメロスの蝶と荘子の蝶" あうろ-ら. 第4号. 17-24 (1996)
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[Publications] 内山勝利: "対話と想起-プラトン哲学の「方法」-[その1]" 哲学研究. 第562号. 1-21 (1996)
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[Publications] 内山勝利: "人の語りとしてのロゴス-ヘラクレイトスにおける言語と世界-" 人間存在論. 第3号(発表予定). (1997)
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[Publications] 内山勝利(編著): "フィロソフィアの源流と伝統〔西洋哲学史・古代中世編〕" ミネルヴァ書房, 340 (1996)
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[Publications] 内山勝利(編訳): "ソクラテス以前哲学者断片集(第一分冊)" 岩波書店, 373 (1996)