1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610014
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小南 一郎 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (50027554)
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Keywords | 神仙思想 / 人物画像 / 祖霊観念 / 葬送儀礼 |
Research Abstract |
(1)春秋末年から戦国時期にかけての青銅器の文様(特に人物画像文様)の分析を通じて、このころに、中国の宗教観念に大きな変化があり、その変化の中から神仙観念も結晶化して来たであろうことを確かめた。 (2)前漢時代中期における中国社会の構造的な変化が、神仙思想にも大きな影響を及ぼし、それまでの帝王の神仙術から、一般の人々にも開かれた神仙観念が展開したことを、文献(特に「史記」封禅書)と文物との双方の分析から確かめた。 (3)前漢後半期から後漢の時期の、一般の人々にも開かれた神仙観念について、その宗教的な機能について知ることを主眼として、墓中に描かれる神仙図像を、特に位置関係を重視して分析した。そうした分析から、この時期の神仙観念が祖霊観念と密接な関係を持ち、葬送儀礼とも深く関わりあっていたことを確かめた。 以上のような知見を纏めて、成果報告書を作製した。 なお、この期間に執筆した「神亭壺に見る仏教受容の一様相」(東方学会50周年記念論文集)は、江南地域において、土着の民間信仰の上に神仙観念がかぶさり、その基礎の上に、仏教が受容されたことを分析したものである。また「石鼓文製作の時代背景」(東洋史研究、掲載予定)では、秦の始皇帝の神仙探究が、単に個人的な長寿願望によるだけでなく、民衆層の宗教信仰を統合するものであったことを論じた。
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Research Products
(1 results)