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1995 Fiscal Year Annual Research Report

五書の二大文書資料における神観と人間観-ヤハウィストと祭司文書の比較-

Research Project

Project/Area Number 07610031
Research Category

Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)

Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

木幡 藤子  広島大学, 総合科学部, 教授 (90225475)

Keywords五書研究 / ヤハウィスト / 祭司文書 / 神観 / 人間観
Research Abstract

まず出エジプト記1-14章の中のヤハウィストの物語において、神についての記述と神の言葉がどのように分布しているか、神について何が物語られ、何が物語られてないか、さらに神は誰に語り、誰に語らず、何を語り、何を語らないかを中心に分析した。その結果、次のような神観と人間観が明らかになってきた。ヤハウィストの描き出す神は、人間に語りかけ、交わりの可能性を開く神、そして人間に自由に決断させる神である。したがってこの神は先をすべて見とおすことはできない。つまり、自分の力が無限であることよりも、人間に自由を与え、その人間との交わりを優先させる神である。つぎにヤハウィストの描く人間は、自由に振る舞い、自律的に自分で物事を判断し、よく語る。しかし、人間は交わりの可能性が与えられているにもかかわらず、それを実現するようには決断しない。つまり神の語りかけにふさわしい応答をしないのである。そして決断の自由が与えられているがゆえに、決断の結果は人間の責任となる。
もうひとつの文書資料である祭司文書においては神が、これから自分ですることを告げるということが多く見られるので、神が主語の動詞をひろって、何を、誰に、どう行うのかを、検討したところ、一人ですべてをしようとする神であるという結果が出た。その神から、人間に期待されていることは、聞き従うことである。しかし、人間は重要なところで、神に従順でない。しかし神は人間の不従順をうけとめ、それに対処して、新たな行動をとるものとして描かれている。
なお研究成果は、平成7年度、8年度分をまとめてドイツ語で発表する予定である。

URL: 

Published: 1997-02-26   Modified: 2016-04-21  

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