1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
山折 哲雄 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40102686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 正博 国際日本文化研究センター, 研究部, 助手 (80192780)
鈴木 貞美 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (60179207)
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Keywords | 無神論 / 飢餓 / オウム真理教 / 生命論 |
Research Abstract |
日本の古代・近代・現代の生命観を思想的に研究した。 日本生命史の中に脈々と受け継がれてきた「無神論的心情」が近代・現代においても日本人の「いのち」観を規定していることを、寺田寅彦やオウム真理教などの文献に探り、現代日本の生命観は宗教がこのような「無自覚的な」無神論者のまなざしによって包囲されていると分析した。 また、「飢餓」というものが日本人の死生観に独特の影響を与えていることを論じた。 飢餓は人間にとって最も悲惨な状態のひとつであるが、飢餓を断食という形で自覚的に選び取るとき、それは自らの死を自律的に引き受けるプロセスとなる。そのような文化があったことを示した。 研究分担者の鈴木は、近代日本の生命主義について引き続き研究した。 研究分担者の森岡は、有神論でも無神論でもないその中間で揺れ動く生命観が現代日本人にとって重要であることを指摘し、現代における生命観の多様性を明らかにした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 山折哲雄: "宗教と文明" 梅原猛編『文明と環境』13巻朝倉書店. 13. 1-13 (1996)
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[Publications] 山折哲雄: "飢餓と癒し" 宗教研究. 96. 1-24 (1996)
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[Publications] 山折哲雄: "<飢餓について-2つの立場" 梅原猛編『文明と環境』15巻朝倉書店. 15. 191-200 (1996)
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[Publications] 鈴木貞美: "東西の生命主義-20世紀初頭の脱近代思想" 梅原猛編『文明と環境』13巻朝倉書店. 13. 151-171 (1996)
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[Publications] 鈴木貞美: "岡本太郎と生命主義" 別冊太陽. 7月号. 111-120 (1996)
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[Publications] 鈴木貞美: "堀辰雄と20世紀西欧文学" 国文学・解釈と観賞. 9月号. 59-63 (1996)
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[Publications] 山折哲雄: "日本の神-神の顕現" 平凡社, 250 (1996)
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[Publications] 山折哲雄: "近代日本人の宗教意識" 岩波書店, 260 (1996)