1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610074
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八田 武志 名古屋大学, 情報分化学部, 教授 (80030469)
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Keywords | ラテラリティ / 熟練者 / 記憶 / 空間情報処理 / 囲碁有段者 |
Research Abstract |
学習経験が脳機能にどのような影響を与えるのかを、とくにWhere情報の処理機構とWhat情報の処理機構に焦点を当てて、検討することが本研究の目的である。 今年度は実験一つを終了し、二つ目の実験を実施中である。データ解析を終了し論文として投稿中の一つ目の実験は大学生を被験者にしたもので、2次元、3次元での処理できる図形認知のラテラリティを検討したものである。これは、Where情報処理についての脳内機構についての知見を得るためのもので、3次元として図形を処理する方が2次元として処理するよりも右脳の関与が大きくなることを示唆する結果を得た。 二つ目の実験は、空間的情報と言語的符号情報が含まれる図形の処理において、空間的情報処理の方略を採用する条件と言語的符号情報を処理する条件において、空間的情報処理において学習経験が多いと考えられる被験者とそうでない被験者を比較する目的で行うものである。具体的には左右視野にランダムな位置に数字が記入してあるマトリックスなどを瞬間呈示し、数字を再生させる条件と数字の位置を再生させる条件からなる実験を行っている。空間的情報処理に学習経験が多いとみなせる熟練者に囲碁、将棋、算盤熟練者を想定する研究である。現在までのところデータ収集が終わっているのは、統制群としての右きき大学生15名と、実験群としての囲碁初段以上の大学生5名、将棋初段以上の3名についてである。この実験についてのデータの解析は未だ行っていない。
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