1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610083
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
岩崎 祥一 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (90117656)
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Keywords | 空間的注意 / 干渉効果 / 反応時間 |
Research Abstract |
1年目は、純粋に自動的な注意の効果を実証すべく実験を行ってきた。現在、予備実験が終了した段階であり、まだ明確な結論は出ていないが、示唆的な結論としては、最初の狙い通りの結果が得られそうであ。つまり、被験者に凝視点のターゲット(数字)に対して偶数奇数の弁別反応を行わせ、その時の反応時間を計測したところ、ターゲットの両脇に、反応カデゴリーが同じ刺激(一致条件:ターゲットが偶数なら偶数、奇数なら奇数を干渉刺激とする)を出した場合に比べ、逆の反応カデゴリー(不一致条件:偶数には奇数、奇数には偶数)の場合に反応時間の遅延が見られた。これは、こうした課題ではよく知られた干渉効果であ。ところが、干渉刺激の提示をターゲットに十分先立って行うと、たとえ干渉刺激が提示され続けており、ターゲット刺激の提示時にも両脇に存在していても干渉効果は消失する。これは、申請者が過去に実験をし、確かめた効果である。今回、干渉刺激の提示に150msec先だってアンダーラインを干渉刺激の下に提示したところ、干渉刺激の効果が復活した。つまり、不一致条件の方が、一致条件よりも反応時間が長くなる干渉効果が再び表れた。これは、アンダーラインの提示が、自動的に注意を引きつけ、これにより、干渉刺激の干渉効果が復活したためであると、解釈された。現在、この復活がどの程度、ノイズ刺激に先行提示した場合まで有効かを確認する実験に着手した段階である。
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