1995 Fiscal Year Annual Research Report
目撃者証言の心理学的研究-日常文脈における顔の認知と記憶-
Project/Area Number |
07610091
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
厳島 行雄 日本大学, 文理学部, 助教授 (20147698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 寛 川村短期大学, 助教授 (80191328)
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Keywords | 目撃者証言 / 日常大脈 / 顔の認知と記憶 / 識別の正確さ / 事後情報効果 / 誤情報効果 / 顔の反復プライミング効果 |
Research Abstract |
目撃者証言の心理学的研究の中でも本研究では日常文脈の顔の認知と記憶を検討することを目的とするため,本研究では,目撃者証言における記憶の歪みを検討したElizabethF. Loftusの一連の研究で示された事後情報効果の研究とそれ以降の事誤情報研究の流れをレビューして,事誤情報効果のメカニズムを説明する理論を明確にする作業を行った この作業は,厳島の論文"誤情報効果研究の展望-Loftusparadigm以降の発展"にまとめられ,研究雑誌「認知科学」第3巻第1号,1-14ページに掲載された. この検討をもとに,厳島・山田は目撃における顔認知の正確さを規定する要因として,通行人がスリをする行為をシミュレーションした目撃事象としての出来事をビデオ刺激として作成し,これを被験者に観察させ,スリを行った人物を同定する実験を行った.刺激は画面に登場する人物の数を変数に2水準を用意し,また記憶再認までの時間も直後と一時間後の2水準を容易した.再認においてはブランクラインアップを採用した.結果は出来事の時間評価が極端に過大評価され,人物が写真の中にいないにも関わらず,多くの被験者がラインナップから誤って識別する傾向が認められた. また,顔認識の基礎的処理過程を検討するために,顔の反復プライミング効果を検討する実験も行った.これは顔認識における人物同定ノードの機能を明らかにするもので,プライミング課題には職業分類課題を,本実験では既知性判断課題を採用した.既知性判断課題では職業分類課題で使用した刺激顔の部分情報を提示し,人物同定ノードと初期段階の知覚処理が明らかになるように実験計画を立案した.実験結果は初期知覚の段階には顔の部分情報の処理に時間がより必要なものの,反復プライミング効果は部分情報にも認められ人物識別ノードと初期の知覚処理が明確に分離され得ることを示した.
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Research Products
(2 results)