1995 Fiscal Year Annual Research Report
脳性麻痺児における適応技能の発達の(非)累積的モデルの検証
Project/Area Number |
07610104
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
細川 徹 東北大学, 教育学部, 助教授 (60091740)
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Keywords | 脳性麻痺児 / 適応技能 / 発達 / 数理モデル / 縦断的研究 |
Research Abstract |
本年度は、脳性麻痺児の適応技能の発達を縦断的に調べ(非)累積的モデルの妥当性を検証するための初年度に当たり、研究目的に合わせて3種類の調査を設定し、第1回の実施とその分析を行った。 1.遊びを中心とする日常生活活動の発達について 宮城県の肢体不自由児施設の脳性麻痺児58名を対象に日常活動チェックリスト、運動年齢テストおよびWISC-Rを実施し、遊びの発達(社会化)の基礎データを得た。次年度以降この集団を追跡し、遊びの発達が年齢や性別の他に、子供の障害や能力によってどう影響されるのかを明らかにし、(非)累積的モデルを検証する。 2.社会生活能力全般の発達について 東京都と群馬県の肢体不自由児施設の脳性麻痺児42名を対象に、SM社会生活能力検査、運動年齢テスト、上肢機能検査及びWISC-Rを実施し、追跡のための基礎データを得た。この集団では総合的な適応技能の発達についてモデルの検証を行う。 3.障害幼児の機能的能力の発達と養育者の負担感 宮城県内の母子通園施設に通う心身障害児とその母親54組を対象に、日本語版のWee-FIMおよびQRS-Fなどを実施し、ABCXモデルに基づいた因果関係を分析した。この集団では、就学以前の幼児における機能的能力(ADLと認知・コミュニケーション)に注目し、養育者による介護の視点からその発達過程を追跡する。 本年度は、適応技能の発達に関する3方面からの研究に着手し、追跡研究の足掛かりを築いた。本研究の目的であるモデル検証は次年度以降の追跡調査によって可能となる。なお、計画段階ではVABS-SFの日本語版の作成が含まれていたが、版権等の関係で今回は見送らざるをえなかったことを付記する。
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Research Products
(1 results)