1996 Fiscal Year Annual Research Report
脳性麻痺児における適応技能の発達の(非)累積的モデルの検証
Project/Area Number |
07610104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
細川 徹 東北大学, 教育学部, 助教授 (60091740)
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Keywords | 脳性麻痺児 / 適応技能 / 発達 / 継断的研究 / 数理モデル |
Research Abstract |
初年度に引き続き本年度は、脳性麻痺児の適応技能の発達を継断的に調べるための3種類の追跡調査とその分析を行った。 1.遊びの発達とその規定要因の分析 M県の肢体不自由児施設の脳性麻痺児55名を対象に、性別、年齢、、在園期間、障害の型、運動機能、知的機能及び遊びの変化に関する追跡調査を行った。一人遊びや平行遊びなどが次第に社会的相互作用を伴う各種の集団遊びに移行していたが、遊びの種類は性、年齢、障害の内容などの要因によって異なり、枝分かれ的な発達過程を示した。 2.社会生活能力の発達について 関東地域の肢体不自由児施設の脳性麻痺児35名を対象に、適応技能(社会生活能力)の経年変化を調べた。その結果、個人差が大きいものの1年の間に社会生活年齢は平均4カ的しか伸びず、年長児ほどその傾向が高いことがわかった。さらに、発達が停滞するだけでなく後退する児の見られ、累積モデルは年少児には当てはまるが、年長児には当てはまらないことが示唆された。 3.養育者から見た障害幼児の機能的能力の発達 M県の複数の母子通園施設に通う心身障害児の養育者(母親)54人を対象に、障害を介助の度合から調べるWee-FIM及び介護に伴うストレスを評価するQRS-Fを実施し、初年度に引き続きABCXモデルに基づいた因果関係を分析した。 次年度は、これまでの調査測定データに基づき、脳性麻痺児の適応技能の発達に関する(非)累積的モデルを多面的に検討し、本研究のまとめを行う。
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Research Products
(2 results)