1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610106
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
村上 由則 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (90261643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 美麿 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (10099939)
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Keywords | てんかん / 行動観察 / 病弱教育 / コンピュータソフトウェア |
Research Abstract |
本研究の主要な目的は、てんかんをもつ児童生徒の行動状態を解析するコンピュータとVTRを活用したシステムを検討することである。今年度も、これまで同様に、てんかんの児童生徒を対象として、行動状態のVTR記録と、その解析を行った。本年度の対象児は、2名で、行動解析結果と在籍する養護学校における行動記録や、入院している病院の病状記録との関連を分析した。 1名においては、1年半以上にわたるトピック的なVTR記録と半年以上の定時・定点VTR記録を併用し行動の長期的変化を追跡した。その結果、てんかんの診断の確定とその後の服薬治療の開始を境にして、行動状態に大きな変化が生じたことが確認された。これは、定時・定点的な行動観察で子どもの行動状況の指標を明確にすれば、行事等のトピック記録を活用してでも組織的観察により行動状況の変化を把握できることを示唆している。 他の1名においては、VTR記録の解析により対象児に特徴的な行動状況とてんかん発作状況との関連を検討した。日常的で誰にでも発生する行動の頻度の高さとてんかん発作との関連が推測された。これは、行動の解析に際し、特異な行動状況のみを取り上げるのではなく、通常の行動も検討すべきであることを示す。合わせて、8カ月間の指導・観察記録を分析し、てんかん発作の頻繁に観察される時間帯が学校における「授業の変わり目」であることを数量的データとして確認した。 以上のように、本年度は、教育・療育の現場での長期的変化の把握の方法と、てんかん児観察の観点に関わる検討を主として実施した。
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Research Products
(2 results)