1995 Fiscal Year Annual Research Report
はじめての心理学ゼミナール-心理学の基礎教育の再検討
Project/Area Number |
07610115
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 寿一 東京大学, 教養学部, 助教授 (30172894)
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Keywords | 心理学 / 初級ゼミナール / 教授法 / 口頭発表技法 / レポート作成技法 / e-mail |
Research Abstract |
本年度の研究では、(1)心理学を専修の学科・コースとして有する国内の諸大学において、初学者向けのゼミナール(実験演習科目は除く)がどのような教育効果を目指し、どのように実践されているのかをアンケート及びインタビュー調査によって明らかにすること、(2)実際の教育場面での試みを通じてより効果的なゼミナールの姿を求めること、の2点を目標に調査を進めた。(1)に関しては、現在までに質問紙の作成まで進み、まもなく調査を実施する。調査の項目としては、・演習の目的、・単位数、・演習のスタイル-購読型か調査発表型か、・担任制、有無、・成績評価の基準、・レポート作成の指導法、・口頭発表技法の指導法、・実地調査や面接法の指導法、・TAの有無、・教材、・教育効果の評価法などである。(2)の実践的研究に関しては、東京大学教養学部の1年生を対象に、理科生を対象とした自由研究発表型のゼミ「理系のための基礎演習」(夏学期1単位)と、心理学系に進学希望の学生を対象とし、心理学に調査の焦点を絞ったゼミ「心理学を知る」(冬学期1単位)を開講した。いずれも選択科目であったが、教師の狙いと学生のモチベーションがうまく噛み合ったのはむしろ後者の方であった。導入部分で、心理学研究室、実験室を見学したり、上級生や助手との意見交換をもつ機会を設けたことが有効であった。調査発表では少なくとも最初の段階では学生の自主性を重んじ、教師側が過度の統制をせず、学生同士のネットワーク作りを奨励するのが望ましいように思われた。e-mailの活用を試みたが、現時点では試行錯誤の段階にとどまっている。
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[Publications] 長谷川寿一: "大学生にとっての論文執筆の意義" 情報の科学と技術. 45(4). 138-144 (1995)
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[Publications] 長谷川寿一: "「卒業論文をどう書くか-執筆と評価」『知の論理』小林船曳編" 東京大学出版会, 322(287-304) (1995)