1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマン・ネットワーク形成過程に及ぼす援助行動の影響
Project/Area Number |
07610125
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Research Institution | OSAKA KYOIKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西川 正之 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (30135769)
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Keywords | 援助要請 / 援助提供 / 主婦 / 日常生活 / 近隣者 |
Research Abstract |
本研究は、既婚女性が日常生活の中で行う援助行動を、援助要請と被要請の観点から捉えるために計画された。第1研究では、主婦の日常生活における援助行動についての4カテゴリーが提起された。各カテゴリーは、切迫事態でのインフォーマルな援助、切迫事態での一般的な援助、非切迫事態でのインフォーマルな援助、および非切迫事態での一般的援助と名づけられた。 結果では、主婦はあまり近所の人に援助を要請しようとしない一方で、援助を彼らに提供することには積極的であることが明らかにされた。要請者と被要請者の関係性が援助要請行動と援助提供行動に及ぼす効果は、有意であった。そしてまた、この研究は要請者の年齢が要請行動に及ぼす効果も有意であることを示した。しかし、主婦の年齢が援助提供に及ぼす効果は、不安定であった。 第2研究では、主婦の援助行動と社会的ネットワークとの関係が明らかにされた。被験者は、奈良県橿原市に住む131人の主婦であった。調査の結果は以下の通りであった。知人からの援助要請に対する応諾意欲を年齢層別に見れば、切迫事態でのインフォーマルな援助、切迫事態での一般的な援助、および非切迫事態での一般的援助で、40代以上の主婦が30代以下の主婦と比べて、これらの援助を積極的に受け容れてあげようとする傾向が見られた。また友人からの援助要請に対しては、相手が知人であるときに見られたほどの年齢差はなかった。ただし、非切迫事態での一般的援助だけは、相手が知人である場合と同様により若い主婦がいっそう熱心に援助の依頼に応じるという結果を得た。知人にも友人にも、さまざまな援助を提供することを厭わない40歳以上の主婦も、情報の提供のような援助についてはいくぶん苦手にしているようであった。 これらの結果は、社会的交換理論ならびに自尊心脅威モデルの観点から解釈がなされた。
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